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旅の宿続き(一応別次元) くしゅん。 可愛らしい音を立てて、塔矢がくしゃみをした。 当たり前だ。 もうどんだけこうして睨みあっていたんだろう。 風呂上りだったオレらは、素っ裸で睨めっこして、もう、思いっきり冷え切ってる。 塔矢はぶるっと震えて肩を抱きこんで、それからちらっと部屋の隅に置いてある小さな目覚まし時計に 目をやった。 その仕草に、オレもぶるっと震えた。きっと塔矢とは別の意味で。 こうなったら。 動くしかない。 こんなに冷え切ってしまったら、「運動」して、あったまるしかないだろ? だから、 「とう…」 塔矢に近づこうと身体を動かしながら声をかけようとしたら、 塔矢がオレをキッと睨みつけて、それからすっくと立ち上がった。 「と、とう、」 急にどうしたんだとオレが固まってるうちに塔矢はさっき脱いだ浴衣を羽織って、更に手早くパンツを 穿いて、きゅっと帯を締めた。 「塔矢!」 逃げんなよ!いいって言ったのはおまえじゃないか。 さっきまでの躊躇なんか捨て去って叫んだら、塔矢はくるりと振り向いて、言った。 「時間切れだ。残念だったな、進藤。」 と、目覚まし時計を視線で示す。 時計の針は12時をまわったところ。 「もう、『今日』は終わった。」 勝ち誇ったようににやりと笑って。 ハダカのまんま固まってるオレを置いて、オレに背を向けて自分の布団に潜り込んだ。 ※零さんから頂いた小ネタ! キリ物なんで一応「旅の宿」とは別次元とさせていただきますが、個人的にこのオチ、なかなか気に入ってますv 「明日ならいい」を上手く使ってくれました!零さんらしい黒くて男前なアキラさんだなぁv ありがとうございました! |
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