旅の宿
旅の宿









塔矢は自分の布団の上で、体育座りから片足を崩した格好で
膝を抱えて座っている。

その身体には何一つ着けてないけど、ここからは立てた方の膝が邪魔をして
足の付け根辺りは見えない。


オレも自分の布団の上で、全裸で胡座をかいている。
でも少しでも身じろぎすると、塔矢の周りの空気が震えて、オレはそれ以上動けなくなる・・・。


そもそも何でこういう状況になったかってーと。









仕事がらみで地方に来て、観光も合わせて二泊三日塔矢と泊まる事になったんだ。
オレは前から塔矢を狙ってたから、この機会を逃すつもりはなかった。


一日目の昨夜。


未成年だからと断る塔矢に、土産で買った地酒を無理矢理飲ませた。

塔矢は不承不承飲んでいたけど、意外と酒に強いのか「美味しい」なんて呟いて
いつまで経っても顔色一つ変わらない。


「旨い?」

「ああ。意外とな。ボクにばかり勧めないでキミも飲んで見ろよ。」


塔矢が差し出した盃を受け取ったけど、どの辺りに口付けてたんだろなんて
しようもない事しか、考えてなかった。


「けっ?」けほっけほっ!

「進藤、大丈夫か?」


何となく甘酒みたいなん想像してたのに、舌が痛かった。
ラベルには『超辛口純米』なんて書いてある。


「キミには一ノ蔵の辛口は少し早いかな?」


なんて塔矢が何だか大人の男みたいな事を言って優越感に満ちた微笑みを浮かべた。
オレがむくれた顔をすると、勧めもしないのにどんどん飲み始める。

・・・これっていい傾向。
塔矢の方が酒にやけに強いのが悔しいけど。
もっとどんどん飲んで。
そして何されても抵抗出来なくなるくらいに酔っぱらって。


そう。オレは、酒に酔って前後不覚になった塔矢をなんとかしようと考えてたんだ。



「おまえって酒強いなあ。」

「キミだって、その内強くなるよ。」


いつになく調子に乗った様子で、熱燗の徳利の首をつまんでもう一杯頂くよ、なんて。
妙に色っぽい。
って。このままずっと酔わなかったらどうしよう?
と不安になって焦り始めたんだけど。

ふと、ある瞬間に、ことりと盃を置いた。


「寝る。」


・・・へ?酔ったって事か?いきなりだな。


「え?あ、そうなの?もうちょっと飲まない?」

「・・・・・・。」


塔矢には珍しく、全く人の言葉を無視してそのままコトリと
横に倒れた。


って、えーーーっ!ちょっとあんまりにも急すぎるだろ!
でも塔矢は、全然動かない。


「おい、塔矢?じゃあ、歯、磨いて布団で寝ろよ。」

「・・・・・・。」

「塔矢?死んだのか?おい!」

「死・・・でな・・・。」


すー・・・・。

って!
顔を赤くもせず、安らかな顔で寝ちゃってる。
急性アルコール中毒?とか思ってちょっと青ざめたけど、
そこまで飲んでないし、顔色が悪いわけでもないし。

まあ取り敢えず、ただ寝ちゃっただけかな?
・・・だよな?


だとしたら、これはチャーーンス!!!



「・・・塔矢。せめて布団に行こうぜ。な。」


肩を揺すっても、小さく頷くだけで起きようとしない。
泥のように眠っている。
泥酔という言葉の意味が、今よく分かった。

オレは仕方なく(仕方なくというか)脇に手を入れて、抱くようにして、移動させた。
塔矢は重かった。
やはり尻で引きずられるのは痛いのか、途中でもがいて、オレの腕から
逃げようとする。

でもそれがやけに鈍い動きで、その力無さに妙に興奮しちゃって。
聞こえてないのが分かってて、


「大丈夫だよ、優しくするから。」


なんて言って自分でニヤニヤして。
変態くさい。我ながら。





まあとにかくそういう訳で、頑張って布団の上に寝かせたわけ。

塔矢はくたりと横になって、浴衣の裾はめくれてるわ、襟は開いてるわ、
普段の姿からは全然想像もつかない、もうどうにでも料理して下さいな状態で、
鼻血もんだった。

わー・・・、毛、薄〜い。
色白いな。
足をさわさわと撫でると、くすぐったそうに少し身を捩った。


オレが、こんないやらしい目で自分を見てるなんて、知らないんだろうな。
男である自分の身体に、価値があるなんて想像もつかないんだろうな。

なんてキレイで、なんて清らかで、
なんて強い、おまえ。

碁でおまえに勝つ度に、オレ滅茶苦茶喜んでただろ?
でも、その時の興奮が、どういう種類の興奮だったかなんて知らないだろ?


オレはまた、ゆっくりと裾を捲り上げて太股を撫でたり、
襟を引っ張って肩を出させたり、
色々見た目も感触も楽しんだ。

だって、どんだけこの時を待ったかってんだ。





しばらくしてからやっと頭の方に移動して、髪の毛に指を差し込むと
中は少し熱かった。
つるつるした感触を楽しみながら掻き上げ、出てきた耳に・・・

もう、爆発しそうだと思った。

塔矢は酒飲んでも赤くならないタイプみたいだけど、耳たぶは赤くなってる。
美味しそうで美味しそうで・・・口を近づけて、ぱくりとはんだ。

唇でもぐもぐ食べてると、塔矢が薄目を開けた。


「・・・ん・・・。」

「おはよ。いただいてるよ。」


また目を閉じたんで、許してくれたんだと解釈して、今度は頬に唇をつける。
柔らかくて、少しひんやりしていて・・・まだそんなに髭生えてないのかな。
すべっすべ。


「・・・・・・。」


そして、いよいよ、唇に・・・。
軽く自分の唇を重ねる。
少し動かすと、物言いたげに小さく開いた。
酒の匂いが微かに漂う。


・・・限界だ。


オレは塔矢を思いやることも、自分を焦らして楽しむ事もやめ、激しく唇を貪った。
頭を押さえて強く口を押しつけ、思いっきり舌を入れて、ツルツルした感触に、
検討の時なんかに偶にちらっと見える真っ白な歯列を思いだし、もう何が何だか
分からない間に思いっきり吸って、舌を舌に絡みつかせて、ああ、コイツもやっぱり
舌があるんだ、人間だったんだなんて妙に感動して。

ただただ甘い感触に酔いしれた。


だがその内に塔矢は頭を捩ってオレの口から逃れ


「ん!・・・くるし・・・」


眉根を寄せて、喘いだ。


「塔矢・・・塔矢・・・!」


オレは沸騰した頭のままに塔矢を抱きしめて、首に舌を這わせて
浴衣を脱がせようとした。
息が楽になったせいか、塔矢は大人しい。


「しん・・・ど・・・。」

「塔矢!好きだ。」

「え・・・。」

「好きだった。ずっと。」

「・・・え・・・と・・・。」


この期に及んでまだぼんやりしている塔矢に構わず、抱きしめて鎖骨に歯を立てる。


「痛・・・。なに・・・するんだ・・・。」

「好きなんだ。」

「・・・・・・なんだって・・・いうんだ・・・。」

「だから、ヤる。」

「・・・・・・。」

「させて。塔矢。」

「・・・いや・・・。」


いつになく素直でシンプルな物言いに、思わずくすりと笑ってしまう。
塔矢って、酔っぱらったらやけに子どもっぽくなるんだ。


「嫌だってっても、ダメ。もう止まらないよ。」

「・・・・・・困るよ・・・。」

「戻れない。だって、ほら・・・。」


もうキンキンに硬くなったモノを、塔矢の脚に擦りつける。
思い付いて脚を開かせたけど、力が入らないらしくほとんど抵抗がなかった。

脚の間に膝をついて、オレを塔矢に擦りつける。
塔矢は・・・残念ながらふにゃふにゃしてたけど、それはそれなりに気持ちよかった。
なんてったって、この体勢が・・・クる!

もう剥き出しになった太股を抱えて腰を揺らすと、それだけで
イきそうだ。
イってもいいかな。
でも汚れるし、やっぱ中がいいな。


「しんど・・・やめ・・・。」


まだ何か言ってる塔矢をまた抱きしめて、唇を寄せた。


「・・・やめて・・・いや・・。」

「可愛いな。塔矢。やめないけど。」

「ダメなんだ・・・だるい・・・。」

「いいよ。寝てて。勝手にさせて貰うから。」

「・・・い・・・だるい・・・。」

「ごめんな。」

「頼む・・・本当に・・・今日は・・・やめてくれ・・・・・・。」

「そ・・・・・・。」




・・・って。



『今日は』?

今、今日はって言った?



・・・オレは、自分が今からやろうとしている事が強姦だってのは自覚していた。
恐らく塔矢は二度とオレを許してはくれないだろう。

でも、オレ達には碁があるから、離れる訳には行かない。
だから、既成事実を作ってからゆっくりと口説き落として行けばいいだなんて
そういう悠長な事を考えてた訳だ。
まあ考えてたというよりは単純に、取り敢えずヤりたいって気持ちが先行してた訳だけど。

でも、叶うことなら。

円満に、塔矢も納得の上で出来たら、それに越したことはない。

こういう強引な事をしようと思ったのは、じっくり塔矢を観察して「そういう嗜好」が
ないと確信したからで、正面から告白しても絶対に振られるだろうってのが分かったからで。

気持ちを知られてしまったらもう、隙を見せてくれなくなるだろうから
その前にヤっちゃえ!なんて思ってたんだ。

でも、気持ちを知ってもそれでもヤらせてくれたら。


・・・・『今日はやめてくれ』、か・・・。



また寝始めた塔矢に寄り添って、耳に唇を寄せて囁く。


「・・・ねえ、塔矢。『今日は』いやなの?」

「・・・・・・ん・・・ねむ・・・・・・。」

「じゃあ、『明日なら』いいの?」

「・・・困・・る・・・。」

「そう。じゃ、悪いけど今からするね。」

「い・・・や・・・・・・。」

「どっちだよ。今か。明日か。」

「・・・・・・。」

「じゃあ、ヤるよ?」

「まっ・・・て・・・。」

「・・・・・・。」


胸が、ドキドキする。
苦しそうに目を閉じたままの、塔矢の口元に耳を寄せる。
荒い息づかい。
それでも辛抱強く待ってたら。
遂に・・・。


「・・・・・・明日に・・・して・・・。」

「明日だな?明日の晩だな?」

「・・・ん・・・・・・。」


遂に、塔矢の口から。

約束を取り付けた・・・!

自分の股間を触ると、それはそれははち切れそうで辛いけど。
それでも塔矢と納得尽くで出来るって思えば、我慢出来ない訳じゃない。
今までだって幾晩も、塔矢を思って自分でしてたんだし。


「じゃあ、今日はしないよ。」


興奮に震える声で言ったけど、
塔矢は安心したように微笑んで、すう・・・っと寝息を立て始めた。


「ちょっと待った!塔矢。」

「・・・ん・・・・・おや・・・すみ・・・。」

「の前に明日の晩の約束を忘れないって証明して。」

「・・・ん・・・?」

「キスして。」

「は・・・・・・?」


ずっと半分寝てた塔矢が、久しぶりにまた薄目を開けた。


「明日の晩するって。忘れないように、塔矢からキスして。」


霞のかかったような顔のまま、眉根を寄せて少し考えている。
考えているように見えて何も考えてないかも知んないけど。


「・・・誓いのキスだよ。」


脅すつもりはなかったけれど、塔矢の太股にまたオレのモノを擦りつけると、
諦めたように目を閉じて、のろのろとオレの首に腕を回した。


・・・塔矢が、


自分から、オレを引き寄せて。

夢のようだ、

軽く触れる、羽で撫でるような口づけ。


・・・堪らず自分からも唇を押しつけて。
しばらくじっとした後名残惜しく顔を離して。


「ありがと。・・・おやすみ。」


と言ったら、


「・・・ん・・・・・・。」


また少し微笑んで。
塔矢は今度こそ本当に深い眠りに落ちていった。


オレは、来るべき時を思って一人でヤった。







それが昨夜の話。

明けて今朝の朝塔矢は少しぼんやりしていた。


「おはよ。二日酔い?」

「おはよう・・・。いや、そんなこともないんだが。」

「結構酔ってたみたいだけど。」

「キミが飲ませるからだろう。まあ無理はしていないよ。・・・口が気持ち悪いだけだ。」


塔矢は頭を振りながら歯を磨きに行った。
普段と何も変わらないような様子だった。



午前中の仕事を終わり、昼飯を食ったら少し観光をする。
塔矢はやっぱりいつもと全く変わらない様子で・・・。
オレは、ホントに約束を覚えているのか不安になった。

けれど日が陰る頃から・・・塔矢はオレと視線を合わせなくなって。
少しづつ憂鬱な色を見せ始めて。

オレは、塔矢が昨夜の事をきっちり覚えてる事を確信した。
悪いけど、ほくそ笑みたい気分。


覚えてさえいれば、塔矢は逃げない。
本当は覚えているけど、知らん顔してとぼけるなんて、塔矢には出来ない。

覚えていても「あれは酔っていたから無効だ」なんて事も塔矢は言わない。
自分が自分をコントロール出来なかった事を、塔矢は認めない。


だからずっこいと思うよ。
オレは卑怯だと自分で思う。
だからちゃんと、塔矢に謝るよ。
終わった後で。



夕食の時には、オレがほとんど一人でしゃべってるような調子で、
でも塔矢を怖がらせないように、碁の話や脳天気な話ばっかりした。

塔矢は少し笑いながら、でも心此処に在らずって感じだった。






先に風呂に行って丹念に身体を洗って部屋に帰ると、
塔矢は窓際の椅子に座って脱力していた。


「お先。」

「ああ・・・。」


のろのろと、支度をする。

塔矢は予測している。
風呂から帰ってきた時の事を。
オレに抱かれる時のことを。

怖がらなくて良いよ。
優しくするよ。
出来るだけ痛くないように。

そんな言葉を掛けてやりたい位だったけど、怖くて出来なかった。

不用意にそんな事言ったら、塔矢、壊れそうだ。
今のアイツはきりきりに引き絞った弓。
ぱんぱんに膨らんだ風船。
ちょっとした衝撃で、爆発してしまう。
ヤバいヤバい。

そうっと、そうっと、扱わないと。
難しいんだよ、コイツは。






それから、長い長い時間を掛けて、塔矢が帰ってきた。

浴衣の上に真っ赤な顔。
どれだけ長いこと湯に浸かってたんだろ。


「おかえり。」


ってったら小さく頷いて、そのまま自分の鞄の所へ行って、着替えを入れる。
ゆっくりと。丁寧に。
しばらく待ったらどう考えてもその作業は終わってしまって、
やるせなげにファスナーを弄んでいる。

もう、どう考えても用事はないように思う。
それでももう暫く待ってから


「あの・・・。」


声を掛けると、ビクリと肩が大きく震えた。
そしてそれを恥じるように、誤魔化すように、自分で自分の腕を押さえる。


「寝よ・・・っか・・・。」

「・・・・・・。」


塔矢は横を向いて俯いて、唇を噛んだ。
長いことそうしていた後、ようやく


「ああ・・・。」


と小さな声を出した。

オレは凄く興奮した。







お互いの布団の上に立って、しばし見つめ合う。
なんか不倶戴天の敵同士って雰囲気で、仁王立ちでこちらを睨み付けている塔矢を
抱き寄せてキスする所でもなくてオレは取り敢えず背中を向けて帯を解いた。

浴衣を肩からするりと落とすと、後ろから塔矢の視線が痛いほど刺さるのが分かる。
そしてオレはエロ小説で言う所の「最後の布」に手を掛ける。

分かってるよな?
もう、引き返せないぜ?
勿論今までだって引き返させるつもりなんてなかったけど
これを脱いだらもう、
おまえがプライドを捨てて酔ってたから覚えてないなんて言ったって、
オレが冗談だったなんて言ったって、

戻れない。
元のオレ達には。

今なら。

今なら、何事も無かったかのように布団に潜り込んで、「おやすみ!」と言ってしまえば
何もなかったことになるけれど。

・・・今なら。

昨日までの友だち同士に帰れる・・・。
屈託なく碁を打って、笑い合ってケンカして。キスなんてしないで・・・。



・・・じゃなくて!


オレが迷ってどうする!
もうこんなチャンスは二度とないんだ。
今日を逃せば、もう塔矢は絶対隙を見せない。
ライバルとして、友だちとして、付き合ってくれるだろうけど、
オレと同じ部屋に泊まったりはしなくなるだろう。

塔矢。

塔矢。

頭の中で何故か、可愛くて生意気な、小学生のおかっぱ少年が微笑む。

バイバイ。

バイバイ。


ともだち塔矢。







すっぽんぽんになって、よし、と覚悟を決めて半立ちのまま振り向くと、
さすがの塔矢もたじろいだのか、数センチ身体を反らせた。

分かってるよな?

目で訴えると、塔矢も覚悟を決めたように、自分の帯に手を掛ける。




二人とも素っ裸になって、見つめ合ったけど・・・何も言えなかった。
塔矢の裸を真正面からじろじろ見る訳にも行かず、前に踏み出して抱き寄せる勇気も出ず、
ただ目を見つめ合ったまま刻々と時間は過ぎて、足が疲れてきたオレは布団の上に胡座をかいた。
塔矢も習って、布団の上に尻をついて体育座りをした。




それが悪かったのか。

そこで落ち着いてしまったのが良くなかったのか。





それからなんだよ。





オレが少しでも動こうとすると、塔矢の身体が強張って、部屋の空気がピン!と張りつめる。
その空気が恐ろしくて、なんだかどうにもこうにもしようがない感じ。


もし今オレが強引に動いたら、塔矢は・・・緊張や屈辱や羞恥や背徳心や、
そんな色んなモノが溢れて破裂してしまいそうだ。

かと言ってオレが動かなかったら、塔矢からアプローチがあるはずもなく、
ただ膝を抱えて時折倒したりしながら、膝小僧の上から凝っとオレを睨んでいる。


でも塔矢も分かってるはず。

例え酔ってたからとは言え、自分で約束したんだし、
それを翻したくなかったから、こういう状態になったんだし、
昼間の内にプライドなんて捨てて「約束は反故にしてくれ」って言えたならまだしも
言えなかったのも塔矢だし、もう夜になって、お互いに服も脱いじゃって、

今更どうしようもないというか、あとは進むしかないってか、ヤるしかないじゃん。


分かってるはず。


でも、あの目でオレを押さえたまま動かない塔矢。
踏ん切りがつかない塔矢。


そんな事をしている内に、オレの頭の中にもまたぞろ子ども塔矢が出てきて
にっこり笑ったりし始めて、
ああ!もし今塔矢が膝を解いて「いいよ」って言ってくれてもオレ、出来るかなぁ、
ダメだよ!絶対やるんだ!頭ん中で何回もヤったじゃん、
いやでも現実となるとちょっと思った通りに行かないよな、だなんて
ぐるぐる詰まらないこと考え始めて何か勢い削がれて。


・・・でも、もし万が一オレが今「やめる」ってっても、引き返せないよなぁ。


もう元の関係には戻れないし。
それならヤった方がまだ新しい展開が期待できるし。



はぁ・・・ヤるしかないよ。



気力で何とか自分を奮い立たせる。

でも塔矢、動く気配ないしなぁ・・・。



真夜中の旅の宿。
窓の外には上限の月。

久しぶりだな、月見るなんて。



じゃなくて。





・・・・・・あ〜あ。どうしよ。








−了−










※60000打踏んで下さいました北条さんに捧げますv
  リク内容は


  「ヒカアキ」
  「帰れない二人、戻れない二人」

  ・・・・・・・
  ハピーエンドでも、そうでなくてもかまいません。
  脳天突き抜けてハピー過ぎてて終わってる(戻れない)
  二人でも、抜くに抜けない二人でも(オイオイ)
  お互いを刺し合っちゃうような二人でも。
 


  との事でした。面白いテーマだと思いました。

  今回一番に思い浮かんだのは、北海道の雪原から「帰れない、戻れない二人」(笑)
  だって「帰れない、戻れない」ってったら、凄く悲愴な感じなんですもの。

  がしかし、北海道が最果ての地扱いでは逆に失礼だと思って却下。

  帰れない戻れない・・・って繰り返し言ってるけどそうでもない、という(笑)
  戻れない感はアキラさんの方が強いのに、ピカ視点にしたのが失敗?
  「抜くに抜けない」も面白くて使いたかったのですが、どちらかというと「抜き差しならない二人」に。

  こんなんでよかったでしょうか・・・?

  北条さん、6万申告&面白リクありがとうございました!



  (本文中の「熱燗の徳利の首をつまんでもう一杯頂くよ、なんて。妙に色っぽい。」と
   「上限の月。久しぶりだな、月見るなんて。」は吉田拓郎「旅の宿」のパロ。)




  零さんに頂いたオチはこちら!


※そして、こちらはリクエスト主の北条さんに頂いたイラスト!


※やったあ!ありがとうございます!
 捧文にイラを付けて頂けるなんて、こんなに嬉しいことはありません。

 それにしても、当サイトで一番露出度が高いことになる(笑)こちらのヒカアキ、なんという色気のなさと可愛さ!
 「途方に暮れたヒカルが見上げているのは月」だそうで、この妙〜な間が絶妙に表現されていると思います。

 すっぽんぽん
 にらみ合い
 シラけた空気


 ご自分でマヌケだと仰ってましたが、確かに否定しないんですが(笑)
 それが滅法可愛いです!
 北条さんのものなんですけど、イメージにぴったりで凄く嬉しいです!

 可愛いイラ、本当にありがとうございました!
  


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