WWU Continent 7
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7.キスケ




「・・・シンドー?」




日の暮れて薄暗がりの港、名前を呼ばれて漸く顔を上げる。
以前ヒカルを買って、永夏が北京にいると教えてくれたアメリカ将校だった。
今日はパンパンを連れている。
港でデートの後、どこかへしけこもうという算段だろう。


「ちょっとぅ。何なのよぉ。」


酒にやけた声で蓮っ葉に文句を言う女の頬に軽く口付けて
大股に近づいてきた。


「こんな所でなにやってんだ?」

「ちょっと・・・置いてけぼりくらってね。」

「はは?ん。彼氏に振られたか?」

「そんな感じ。一人でチャイナに行っちゃった。」

「チャイナ?!」


ここで、以前ヒカルが永夏の事を尋ねていたのを思い出したらしい。


「永夏はいないが、前北京にいた男が横田に赴任してきたんだ。会うか?」

「ホント?会いたい!」

「いいぜ。いつにする?」

「今すぐ!」

「今?!」



呆然としてなんかいられない。
今すぐに行けなくても、必ず。
だから少しでも塔矢の消息が、知りたい。





「秀英?」

「・・・シンドー!」


基地近くの宿舎の部屋で、荷物の整理をしていた秀英と呆然と見つめ合う。
正に来日したばかりらしい。


「何だ。オマエたち知り合いなのか。昔の客か?」


秀英が息を呑む。


「シンドーは今はジョーって強面のオンリーさんだからな、オーナーに話を通しとけよ。」


将校は二人に向かって笑いながらウインクすると、女の元に去っていった。
明るい男が去って、しばらく沈黙が落ちる。


「・・・久しぶりだ。」

「・・・ああ。あの、何で日本に。」

「仕事だよ。・・・オマエも『ちゃんと』働いてるみたいだな。」


嘲るように『ちゃんと』に力を込めた。


「カンケーねえだろ。」

「感心するよ。永夏に習った英語も技術も、目一杯役に立ってる訳だ。
 彼もさぞ喜ぶだろうよ。」

「うるせえ。」

「悪いけどボクはオマエを買わない。帰ってくれ。」

「違う!そうじゃなくて、アンタ永夏と会って来たんだろ?塔矢は?どうだった?元気だった?」


異国の地に置き去りにして。
自分は祖国で体を売って、楽に稼いで。
どのツラ下げて、トーヤは元気かなどと。


「・・・元気だったよ。」

「そうか。」


心底ホッとした顔をしてみせても。
動きもしないで、上っ面だけなんだろう?


「永夏がまめに医者に見せてたみたいだし。」

「・・・・・。」

「とても気に入られていたよ。戦前の高級娼婦みたいな刺繍だらけのチャイナドレス着せて。
 金の縁のついた靴を履かせて。」

「・・・秀英?」

「きれいに飾り立てて、大きな人形みたいにして可愛がっていたよ。」

「・・・・・・。」

「トーヤも逃げようと思ったら逃げられるのに、大人しく家の中で永夏の相手をしていた。」


・・・逃げようと思っても、逃げられなかったのだ。

シンドーが迎えに来るかも知れないと思えば。
毎日毎日、どんな思いであの窓から外を見ていたことだろう。
きっと今日こそは、シンドーが迎えに来ると、今日こそは、と。


「ボクは話さなかったけど、永夏の他の愛人とも仲良くなってたみたいだし。」


日本女にしか心を許さず、日本人としての誇りを忘れず。
敵国兵に平気で足を開く、オマエとは違う。


「中国では愛人同士が仲良くするのも普通なんだってね。永夏も馴染みが早い。」

「塔矢は・・・永夏に・・・。」

「抱かれてたさ。永夏が『トーヤはシンドーと同じだ、筋が良い』って言ってた。」


自分が、こんな下品な事を口にするとは。
秀英はそれ程までにヒカルに腹を立てている自分を、自覚した。

あの暑い国で。

誇りも、体も、何もかも捨てても恋人の元に帰ろうとしていたヒカル。
自分の命を削ってまでヒカルを求めてジャングルの中を駆けていたアキラ。

自分は、敵国人ながらにきっとそんな二人が好きだったのだ。
戦時下に、恋に命が賭けられる彼らが少し羨ましかったのかも知れない。

だが、あれは非常時下においてだけの、熱病に過ぎなかったというのか。
だとしても、自分がヒカルに失望するのは自分勝手な感情だ。

分かっているが。

だが。

苦々しい思いで顔を上げた秀英の前で、

ヒカルの顔は蒼白だった。








それはアキラにとっては長すぎる旅だった。
しかし、こうして東京の家で縁側に座っていると、何もかもが一炊の夢だったような、気がする。



北京から天津、もみくちゃにされながら天津港から引き揚げ船に乗って、
甲板で膝を抱えてやっと落ち着いた。

目立たないように薄汚れたシャツを着て、人混みに紛れて。

満州から命からがら逃れてきた者。
北京や各地で仕事をしていた者。
昼夜なく泣きわめく赤ん坊。
いつも子どもを捜し続けている母親。

疲れ果て、汚れきった人たち。

それでも、やっと祖国の地を踏めるという安心感に、船上はどことなく躁状態だった。
確かに今、中国人が一人紛れているのが見つかったらタダでは済まなそうだ。

色んなお国訛りの、それでも聞こえる言葉が全部日本語なのが、訳もなく嬉しい。
これほど沢山の日本人を見たのはどのくらいぶりだろう。

出征した日、以来か。

遠い。

進藤を追って国を出た日が、

遠い。



・・・・・・疲れた。






それでも何とか東京駅にたどり着いて。
荷物と言えば、僅かな着替えと食料、薬の残り、そして楊海から預かった包みだけで少ないが
そうでなければここまで来られていなかった。
正直、着替えと楊海の包みは途中で捨ててしまおうかと思った位だ。

日本に着いたらまず緒方の所に行って、何も知らない振りをして進藤の居場所を聞き出して
それから二人とも・・・などと思っていたが。

とにかく、体を休めたい。


家は、あるだろうか。
お父さん、お母さんは無事だろうか・・・。


アキラはやっと、一番一般的な心配事に、目を向けた。





家は、戦前と変わらずそこにあった。

住宅街のこの辺りは空襲を免れたらしく、懐かしい風景が広がっている。

信じられない・・・・。
自分はこの二年で変わり果ててしまったのに、

何一つ変わらない。


過去に、戻ってきたような気がした。



玄関を開けて、訝しそうに出てきた母に「お母さん」と呼びかけると、ひゅっと息を吸ってその場に崩れた。
両手で顔を覆い、止めどなく涙が溢れる。
それでも、何も言葉が出ない。

後で聞くと、遠の昔に死んだものと諦めていたらしいのだ。
疎開先ですら生きていられるかどうかと、
出征した時に、いよいよもう顔を見ることはあるまいと。


「芦原さんに貰った薬で、何とか今日まで生き延びました。」


無言で、ただ何度も大きく頷く母。


「よく・・・帰った。」


言葉少なな父の目にも、微かに、微かに涙が光ってはいなかったか?


二人とも、小さく弱くなったような気がする。
いや、自分の背が伸び、そして、強くなったのだ。

折角戻ってきた息子が、これから人を殺めようとしていると知ったら、彼らはどう思うだろうか。
でも、止められない。
止まらない。

ごめんなさい。
これから暫く、精一杯親孝行するから。
許して下さい。
あなた達の息子は遠の昔に死んだのだと。

そう思って下さい。



「アキラ・・・。久しぶりに、打つか。」

「・・・・・・。」


佐為さんは、進藤との大事な対局中だからと、一切他の対局をしなかった。
だから自分もと、倉田さんの誘いも、永夏の打てという言葉も拒んだ。

だが、進藤との対局が進むことは、もうあるまい。
他の対局を避ける意味がない。


「あなた。アキラさんは疲れているのよ。」

「いえ、・・・大丈夫です。お願いします。」


その夜、アキラは遅くまで父、塔矢行洋と対局した。
降り始めた雨はどんどん強まり、落雷を伴って一層激しくなった。

初めてヒカルを裏切った、永夏に抱かれた日と、同じだった。







「塔矢・・・ごめ・・・。」


両手で顔を覆って、ヒカルの上体が沈み込む。


「オレが、迎えに行くのが遅れたばっかりに・・・。
 塔矢は逃げたくても逃げられなかったんだ。永夏から離れたら手がかりがなくなるから。」


・・・分かって、


「分かっていて何故来なかった!」

「それは、」

「ああ、塔矢は待っていたよ!ずっとずっと、オマエが来るのを。」

「オレだって!永夏の居場所を掴むために米兵に近づいて、
 危ないけれど天津行きの船のチケットをやっと手に入れて・・・。」


そう、だったのか・・・。


「だけど、友だちに裏切られて船に乗れなくて。
 ・・・でも、それは昔オレがソイツにしたことで。」

「・・・それで、良かった。」

「?」

「実はトーヤを連れて日本に来るつもりだったが。」

「塔矢と?!」

「だが、その前に、消えた。」

「・・・どういうこと?」

「言葉通りだ。永夏の家を出て、中国の街の中へ消えていった。」

「・・・・・・。」

「永夏の所へ行っても、トーヤには会えない。オマエが日本でぐずぐずしている間に、」


なんと残酷な言葉。
言いたくないけれど。
どうか泣かないでくれ。
シンドー。


「・・・You lost your Daisy.......eternaly.」





社清春は楊海の家で、何やら花の香りのする茶色い茶を飲んでいた。

北京駅で呆然としている所を、眼鏡を掛けた男に声を掛けられ、「シンドーヒカル」と
聞こえたので、「シンドーはオレのツレや」と言ったら、ここまで引っ張ってこられたのだ。


「キミが進藤ヒカルくんか。オレが楊海だ。初めまして。」


巧みに日本語を操る外国人。
船券を用意したのは進藤なのだから、進藤には何かアテがあったのだろう。
取り敢えず進藤になりすました方がいいかもしれない・・・。

と言うわけで、さしたる考えもなく社は進藤ヒカルになりすましていた。


「ああ、オレが進藤や。よろしう。」

「早速だが、預かりモノを。」


ああ・・・持ってきてしもた進藤の手荷物の中に入っとった・・・ドル札か。
船の中で、悪いとは思ったが返しようもないのでヒカルの荷物を開けた。
油紙に包まれた札の束を見て・・・ヒカルが危ない事に手を染めていると、思った。

だが、ヒカルがそれでやることがあるなら代わりにやってもいいと思ったし、
それが分からなければ、まあ、自分が有効利用させて貰おうと。


「ああ、あるねんけどな。」

「何か?」

「オレ、何も知らんと預かって来たねん。・・・気になるなぁ。」


楊海はしばらく社の顔を見た後、ニッと笑って椅子の背もたれに体を預けた。


「情報が先、という訳か。塔矢アキラの事だな?」


塔矢アキラ。聞き覚えのない名前だ。
進藤と何か縁のある人だろうか。


「そういう訳や。」

「高永夏の家は、そこの王府井を少し上った所だ。
 アキラは・・・残念ながら、もう高の手がついたようだ。とてもキミを待っていたが。」

「・・・・・・。」


って、アキラって男の名前やろ?コヨンハってなんや?女帝みたいなもんか?
とにかく、アキラという人物が、どっかに捕まっとって、進藤を待っとる。
で、この金。
進藤、外国くんだりまで身請けに来るつもりやったんか?男を?


「・・・かめへん。オレをそのコヨンハの家に連れてってくれや。アキラを請け出す。」

「そのように足木にも言われているが。」


足木って誰や!


「・・・止めておこう。実はもう、アキラは永夏の家にいないんだ。」

「なんやて?」

「それに、オレが連れて行けと言われたのは、進藤ヒカルだ。」

「・・・・・・。」

「キミは、進藤じゃないな?」


マズ!くもないか・・・。早いな。


「ははっ。やっぱバレたか。」

「キミは、誰だ?進藤やアキラとどんな関係なんだ?」

「オレは『進藤とアキラ』の関係が気になるな。あと、コヨンハとか足木のな。」






アキラは数日自宅で静かに暮らした。
父と打ち、祝に駆けつけた父の弟子達と打ち、以前と変わらぬ暮らし。

何もかも夢だったのではないか。

戦争などなく、自分はヒカルと出会わず、出征などせず、
長い夢を見ていた。

そう思いたくなるほど、平和な日々だった。

さすがに手伝いの者などは国に帰ってしまい、やや庭などが荒れていたが
それでも懐かしく、以前と変わらぬ家なのだ。

だが、自室の机の下に仕舞われている楊海の包みが、そうでないと知らせる。


今日こそは。

今日こそは、動かなければ。


そう思いながら過ごしていた時に、芦原が、現れた。


「アキラー!!生きてたんだ!」

「芦原さん!」

「良かったぁ!本当に。」

「ありがとう・・・。何もかも、芦原さんのお陰だよ。」

「あ、オマエオレが薬調達したって先生達に言っただろ。えらく感謝されて参ったよ。」

「でも本当に命の恩人だから。」

「やめろよぉ。それ程のもんじゃないよ。」


以前と変わらず、脳天気に明るくて。
だからこそ、救われるような気がした。


「で、進藤くんに会えたのかい?」

「・・・ええ。少しだけ。」

「そう!良かったじゃないか。緒方さんにも進藤くんを見つけたら
 連れて帰って来るようにお願いしてたんだけど。」

「緒方さん・・・。」

「戦没者名簿に載っていた。あの殺しても死ななそうな人がね?。」

「芦原さん。」

「ん?」

「その事について、少し聞いて貰えますか。」


どうも、緒方は生きていて、「アシギ」と名乗っているらしい。
そして、進藤と・・・。


「ちょっと待って。それってどう言うこと?」

「ボクは、進藤を信じて永夏の元で待っていたのに、彼はボクを裏切って緒方さんに囲われていたんです。」

「よりによって緒方さんに?」

「ええ・・・。緒方さんも、ボクが進藤を待っていると知っていながら。」


信じていた人二人に裏切られて。
ボクは、許せない。


「緒方さん生きてるかぁ。あの人らしいなぁ。で、それって復讐ってこと?」

「芦原さん。お世話になってばかりで済みません。でも、一つだけ最後の我が儘を聞いて貰えませんか。
 手を貸して、いただけませんか。」

「そりゃ他ならぬアキラの言うことなら聞いちゃうけどさぁ。具体的にどうするの?」


自分でも恐ろしいことを口にしていると思った。
現実感がない。
だが、人に話すことによってその展望は具体的になり、
芦原の軽い言葉によって、現実味を帯びた。


「出来れば二人を殺して、ボクも死にます。」

「ふう?ん。」


アキラが死ぬなどと、凄絶な事を言っているのに、
芦原は碁で妙手を打ったときのような、開けっぴろげに感心した表情を浮かべた。


「素手じゃ無理だろ?今度短銃を持ってきてやるよ。
『HOTEL OCHI』の場所も知ってるから近くまで送ってやろう。」







それから数日後。

アキラは糊のきいた開襟シャツに身を包み、まだ瓦礫の残る道を通って「HOTEL OCHI」に
向かっていた。

鞄の中には、楊海から預かった包みとリボルバーが入っている。
試し撃ちはしていないが、永夏の時とは違う。
安全装置の外し方も習ったし、至近距離なら外さない。

今日、進藤も一緒にいればいいが。
そうでなければ、もう少し延期になるかも知れない。

とにかく自分は何も知らない振りをして、ただ楊海から預かった物を渡しに来たら
その相手が緒方であったと。

上手く驚かなければ。
上手く緒方が生きていたことを喜ばなければ。

上手く、進藤を呼び出させなければ。




「ねえ、伊角さん!」

「何だ?」

「あれって塔矢アキラじゃない?」


木材を運んでいた和谷が急に足を止めたので、後ろにいた伊角がつんのめる。


「あ、本当だ。」

「え、何だって?塔矢アキラだって?」


偶々現場にいた倉田までが寄ってくる。


「そうですよ。おーいっ!塔矢!!」


木材を放り出して和谷が走っていった。




「わ、和谷くん?」

「塔矢!生きてたのか!」

「ええ、何とか。ああ、みなさんご無事で!」

「お陰様で!良かったぁ!アキラくんも生きてたんだ!」


しばしの邂逅。
お互いに、無事を喜び、過去を忘れて今を語り合う。
戦後にはそこここで見られた光景。
やがて倉田が、口を切った。


「よぉ、塔矢アキラ。どう?あれから進藤と打った?」

「あ、碁ですか?いえ・・・。」

「え、もしかして進藤と会ってないの?」

「ええ。二週間ほど前に戻ってきたばかりで、まだ何も。」

「うわ?・・・。残念過ぎる!」

「どうしたんですか?」

「ほんのちょっと前まで、進藤もここで働いてたんだよ。」

「え、ここで?」


アキラは驚いたように首を傾げた。


「うん。でも、こないだ大陸へ行っちゃったぜ。」

「・・・・・・。」

「まあ、捜し物見つけたら帰って来るって行ってたから、きっとすぐに戻って来るさ。」


どういうことだろう・・・。

自分を忘れて緒方に抱かれ、男娼をしていたという進藤。
昔の仲間と汗を流し、恐らく自分を捜しに海を渡ったという進藤。

一体どちらが本当の進藤だ・・・?

いや、とにかく緒方に聞けば全てが分かる。




「てことでさぁ、しばらく進藤は帰って来ないから、オレと打たないか?」

「隊・・・じゃなかった、社長!アキラくんは進藤と大事な対局中だから・・・。」

「いいですよ。」


碁を、打ちたい。
出来るだけ沢山の。
もう、自分の命は長くないのだから。


「いいのかい?」

「ええ。伊角さんとの棋譜も残してありますよ。お約束通り続きを打ちましょうか。」

「そりゃ、嬉しいけど・・・本当にいいのか?」

「ええ。進藤との対局は・・・もう終わったんです。」

「でもさっき、」


伊角の言葉は、倉田に遮られた。


「なあ、いつがいい?」

「出来るだけ早い方が。」

「あ、じゃあ今日はもうすぐ上がりだからこの後ってのは?あ、キサマが用事か?」

「いえ、いいですよ。別に明日でもいい用なんです。」


そう言って「HOTEL OCHI」を眩しそうに見上げたアキラの表情は。
何かに似ていた。


何か、不吉な。
何か、とてつもなく切ない感情を呼び起こす、何か。


「アキラくん・・・キミはいつか、共に『神の一手』を極められる相手が現れると言っていたね。」

「・・・ええ。」

「それは、進藤ヒカル、だったんだよな?」

「・・・・・・・・・・夢見がちな、子どもの戯れ言です。」

「・・・・・・。」




「幻は・・・、幻に過ぎませんよ・・・。」






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