トライアングル・トライアル 1








「おい進藤、おまえのケツ貸せや。」


そんな社の言葉から、オレ達は始まった。





今回の社の仕事は、「営業」に近い。
特に仕事で緊張感を必要としない東京での一週間、関西棋院が用意してくれたホテルを
何故か断って、塔矢の家に滞在することになったらしい。

それを聞いて、北斗杯の合宿(そん時は切羽詰まってたけど、後で思うと何だかんだ言って楽しかった)
を思い出して羨ましがってたオレに、塔矢がキミも一泊ぐらいしないか、って誘ってくれたんだ。
で、着替えだけ持って友達ん家に遊びに来るような感じで泊まりに来たわけ。


基本的に塔矢は真面目だ。
合宿の時は平気で徹夜とかしてたけど、今回は11時にはもう寝ると言って部屋に引きあげた。
オレと社も、仕方ないから碁盤片付けて布団敷いて。

後から風呂に入って戻ってきたオレを、布団の上に胡座をかいた社はじっと見ていた。
借りた卓上鏡に向かって髪の毛乾かしてると、ドライヤー持った左手のTシャツの袖ぐりに
指を引っかけて来る。


「何?」

「脇毛薄いな。」


何だよーって、怒るフリをしながら結局笑っちゃったのがいけなかったのかな。
でも、だって、社って、そんなヘンな雰囲気持った奴じゃなかったし・・・。




で、落ち着いて「んじゃ寝よっか。」って雰囲気になった時、件のセリフが出てきた訳だ。


「おまえのケツ貸せや。」


そう言って後ろから覆い被さってきた社に、オレはどう反応していいのか
分からなかった。

冗談、だよな?

そう思いながらも、社の方から洒落やんって、言ってくれないかって待ちながら
ゲラゲラ笑って、ただくすぐったいじゃん、とだけ喚いて。

オレの身体を撫で回してた社は、それを聞いた途端に手を止めて、真面目な声で
「ああスマン、」ってって、ゆっくりとオレのモノを握った。


マジですかマジですかマジですか・・・!


ヤバいです、これ。
オレの中で冗談だよな、冗談じゃねえの?冗談だと言ってくれ、みたいな段階を踏まずに
一気にエマージェンシーコールが鳴った。


えっと、ちょっと、やめろよ!
つか、何、おまえモーホーだったの?オレをそんな風に見てたの?
やだ、悪いけどオレそんな趣味ないし、って言う機会くれなかったし、
なんでこんな事になってんだ、オレ何かヘマしたか?オレのせいか?
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち・・・イイ・・・。

・・・マジヤバい。

抵抗出来ないでいる間に、社の手に反応して、だんだん勃起してきた・・・。
ってことは、感じてるって事で、ますます抵抗出来なくなって行くっていうか、
今「嫌だ」っつっても、まさに「口では嫌がっていてもカラダは正直」状態な訳で。

説得力ねー!
いやでも、オレケツ貸す気なんか全然ないし、けどこのまま行ったらヤバいんじゃ、
とか思って内心大焦りだったんだけど、社は空いてる方の手でオレの頭撫でて


「ええ子や。」


と、囁いた。
ていや、大人しくしてるのは受け入れてる訳じゃなくて、どうして良いのか分からないだけなんだって!


「あ・・・。」


そうこうする内にトランクスの中に手ぇ突っ込んで来・・・。
ちょっと冷たい・・・で、自分のよりちょっと硬くて、違和感のある指。

やだ・・・やだやだ。

そんなトコ、触るなよ・・・。
先が、今ぬるって滑ったの、もしかしてチビった?オレ?

オレはもう、なんか怖くて気持ちよくて、ただ横たわったまま身体を丸めていた。
ちょっとでも動いたら、恐怖とか恥ずかしさとか、そんなんが溢れて爆発しそうだ。



どの位経ったか、コイツ上手い、ヤバい、と思い始めた頃、社が手を離した。
このまま抜かれちゃったらどうしよう、って焦ってたからホッとしたけど、
一瞬「やめないで」と思っちゃったのも事実。


「自分・・・可愛いな。」

「・・・・・・。」


その瞬間。
何て言うか、ぞぞーっと鳥肌が立って、背中がびくって痙攣して、
快感も何もかも忘れて一気に我に返って、何かも、逃げ出したくて仕方がなくなった。

けど社は身体を捩ったオレを仰向けにして・・・なんと、オレのん銜えやがったんだ!

ちゅぱ、って感じの濡れた音がして、ねっとりと舌を使いながら、オレの反応を伺うように
見上げる顔を見ると、萎えかけてたのが、また。

ひいいい〜・・・




結果を言うと、オレはケツを貸さなかった。
というか、社がそういう要求をしなかった。
ただオレをくわえて、舐めて撫でて、気持ちよくして、・・・飲んで。
自分は多分出してなかったと思う。








−続く−






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