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サイエンス・フィクション9 「ボクはキミを愛しているんだろうか。」 「・・・・・・。」 「何故そこで黙り込むんだ。」 「いや、お前の意図が見えねぇし。」 「意図も何も、そのままだ。自分で分からないからキミに聞いているんだ。」 ん〜〜〜・・・やっぱおかしいよな。コイツ。 何で突然そういう事思ったんだろ。 「・・・何か、あった?」 「え・・・。」 「トートツ過ぎるってんだよ。何か変なことあったんだろ。」 占いで何か言われたとか、変なドラマの影響受けまくったとか。 「実は・・・加賀さんに、言われたんだ。」 「は?加賀に会ったの?んでしゃべったの?」 「ああ。」 オレは噴き出した。 あの、塔矢嫌いの加賀と、塔矢の会見。 そりゃあ拒否されただろうなぁ! 「何がおかしい。」 「はははっ!いやぁ、殴られなかった?」 「いや。何故だ?」 「てゆうか何でそういう事になったの?最初はマトモに話出来なかっただろ。」 「う・・・ん、取り敢えず肩抱かれて引っ張って行かれたからな。」 「うそ・・・。」 「その後は喫茶店に誘われて、普通に話したよ。」 マジでえ?! あの、塔矢行洋の本ですらびりびりに破いた加賀がぁ? 何があったかは知らないけど、相当な恨みだと思った。 それが・・・いやでもあれから4、5年経ってるから大人になったのかなぁ。 「ホントに、普通に話せた?」 「・・・ああ。」 塔矢はそこで何故か赤くなった。 そういや加賀もなーんも言ってなかったもんなぁ。一体何があったんだ? 二人どんな顔して話してたんだ? 「まさか加賀から声掛けてきた?」 「・・・いや。」 「え、お前から声掛けたの?何で?」 「・・・・・・。」 「言わなかったけどアイツ塔矢アキラ嫌いなんだぜ?お前って分かっただろ?」 「・・・その辺りは聞かないでくれないか。」 その後はいくらしつこく聞いても塔矢は答えなかった。 「とにかく!その時言われたんだ。」 「何を。」 「だから、ボクはキミを好きな筈だって。」 「・・・・・・。」 話が全然見えない。 それ、本当に加賀なのか。 でもそうじゃなかったらオレの名前が出たりしないよな。 ・・・・・・そうだ、だけど、 「・・・あ。」 「どうした。」 「今思い出したんだ。」 「何を?」 「そういやオレもそんな風な事言われたんだ。」 昨日終わった後、煙草を吹かしながら。 お前、中学生の時から女の子より塔矢アキラの尻を追いかけてただろ、って。 「でもお前の事好きだろって言われても男同士だしさぁ、何言ってんの?ってって そのまま忘れてた。」 「・・・・・・。」 「何だろ。アイツ、オレ達をくっつけたがってるのかな。」 「そう、なのかな。」 「それともお前、本気でオレの事好きなの?」 「それが分からないから聞いたんじゃないか。キミはどうなんだ? 今のボク達は男同士じゃないけど?」 「・・・・・・。」 え・・・と。 そりゃ男同士じゃないのは確かだけど、そんな簡単に頭切り替えられるもん? てゆうかそれってどういう意味?オレが好きだってったら、どうなるの? 「男と女のカンケイ」って奴になるの? ヤッちゃうの?オレ達。 手を伸ばして、また塔矢の股間を押さえてみる。 それはすっかり萎えていた。 「どう?勃ちそう・・・?」 「え?」 「ヤりたいんだろ?」 「・・・・・・。」 「そーいう事言うのって。そうじゃないの?」 「そ、違う!」 「いーよいーよ。取り敢えずヤッてみようぜ。」 ガタッ! 塔矢は何かを蹴倒して勢いよく立ち上がった。 連られてオレも立ち上がって見ると、瞼がピクピクしている。 ヤバ・・・本気で怒ってるみたいだ。 オレ達はしばらく仁王立ちで睨み合っていたが、その内塔矢が 「失礼する。」 そう言ってくるりと背を向けた。 オレは、オレは、何も考えられなかったけど、それでもこのまま帰したら きっと今までみたいに打ったり、仲良くできないと思った。 なんせコイツと気安くしゃべれるようになるまでどえらい時間掛かったんだから。 「待て!」 走って先に玄関に行き、体でドアを塞いだ。 「どけよ。」 「嫌だ。」 「ボクは帰ると言っているんだ。キミは加賀でも誰でも呼べばいい。」 「違う!オレ、オレ、」 睨んで来る目が凄く怖い。 あーもう。盤上で以外絶対敵に回したくないタイプだよな。 だから・・・。 「オレ、きっとお前が好きだ。」 「・・・・・・。」 きつい形をしていた塔矢の目が、丸くなる。 寄っていた眉の間が、開く。 何だか間抜けな顔だよ、と思ったら、 アッという間にドアに押しつけられて、キスをされた。 あ〜あ。加賀ともしたことないのに。 片手は腕を掴んで、片手は立体裁断のブラをくしゃりと潰して胸を押さえてる。 多少は柔らかいと思うんだけど、揉んでいいのかどうか迷うみたいに指が 微妙に動いたり動かなかったりしてる。 じれったいなぁなんて思ってる間にお互い息苦しくなって、顔を離して。 ちょっとはぁはぁ言いながら、それでも塔矢は。 「・・・ボクも。好きだ。多分、キミより前から。」 またキスされて、硬くなったモノが、太股に当たった。 女になって思ったけど、欲情してそれがすぐに出るなんて、恥ずかしいよな。 本屋でエロ本立ち読みしてる時とか、勃たなくて便利だなあと思う。 塔矢だってこんなになってるのに。 お互い「好き」だとか言い合わないと出来ないなんて。 律儀というか、バカというか。 でも、コイツのそういう所、オレ「好き」かもな。 −続く− ※次回最終回。 |
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