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サイエンス・フィクション8 なんか塔矢の様子がヘンだと思う。 自分からアノ事聞いてきたりさ。 遅ればせながらコイツにも思春期ってのが来たのかな? こないだまでそーいうとこホンッとガキだったもんな〜。 オレがわざわざ見せてやるってのに目ぇ逸らしたりして。 って、まあ塔矢少年の性長ぶりは別にどうでもいいんだけどさ。 今日は見せびらかしたい物がある。 「どした?もぞもぞして。」 「ああ・・いや、初めて女の子の部屋に入ったものだから。」 「女の子って、まさか緊張してんの?」 「した方がいいかと思うんだが、どう見てもあまりにも汚い、男の部屋としてもどうかと言うような・・・。」 「放っておけよ。オレの部屋なんだから仕方ないじゃん。」 何気に失礼な事を言う塔矢を放っておいて、オレは上半身を脱いだ。 「おい!キミはまたそういう・・・。」 「まあまあ、いいもん見せてやるっつったろ?」 「ボクはキミの裸なんか・・・。」 言い募りかけてわざとらしく溜息を吐いて、口を噤んだ。 その間にオレは、ここ最近の宝物を取りだして身に付ける。 白けた顔をしていた塔矢が、今度は目を白黒させた。 「・・・・・・。」 「どう?」 「・・・どう、と言われても。・・・・・・余りに余っているな。」 「うるせー。」 オレが装着したのは上半分がレースになった、ブラ。 加賀の彼女も確か高校生だったと思うけど、こーいう色っぽいの、持ってんだなぁ・・・。 「で、どうしたんだ?それ。」 「加賀の部屋で見つけたから持ってきた。」 「え!それって泥棒じゃないか!」 「ちがうよ。その内返すし。」 「だからと言って黙って持って来てはいけないだろう。」 クソ真面目だなぁ。 いいじゃん。知らない仲じゃないんだしさぁ。 「それに何のつもりでそこまでサイズの合わない物を盗んで来たんだ。 というか何故加賀さんの部屋にそんなものが!」 マジうるさい奴。 勿論装着する為に持ってきたわけなんだけど、確かに塔矢の言う通り余りまくっている。 買えばいいようなもんだけど・・・、なんか実際に着けられてた物だと思うと凄く興奮しちゃって。 つい持って来ちゃった。 ・・・ってオレ、おかしくねーよな? 女だもんな?サイズが合わなくてもブラしても変じゃねえよな? 「加賀んちも両親いない事多いから結構お泊まりって事もあるらしくってさ、 下着とかアクセサリーが落ちてたりするんだ。」 「・・・何故下着が・・・その人の行動パターンがよく分からないが、キミの思考も謎だ。」 「いや、ない胸でもさ、やっぱ走ると揺れる感じするしブラ欲しいと思ってたんだよ。」 「それにしても着けて見るまでもなくサイズの違いは明かじゃないか。」 「はっきり言う奴だなぁ。細かい事言うなよ。 オマエも男ならさ、分かるだろ?こういうブラに憧れる気持ち。」 両手を頭の後ろで組んで、腰を捻ってみた。 だけど塔矢は本当につまらなそうに眉を顰めた。 「生憎分からないね。着けてしまう気持ちまでは。」 ・・・お! ・・・はははっ!語るに落ちたな!着けたいとまでは思わなくても、 やっぱりこういうの、好きなんだ!いやぁ、そーだろ、そーだろ! 「・・・何笑ってるんだ。」 「いやぁ、塔矢くん、無理しなくてもいいんだよぉ?」 「何が。」 「触ってもいいっつってんの。」 いつかのように無理矢理手を取って、自分の胸に引っ張ってくる。 下の、サテンっての?つるっとした部分に指先を滑らせると・・・顔が赤くなった。 はははっ、コイツを恥ずかしがらせるのって楽しいなぁ! でも、しばらくしたら落ち着いちゃったのか、顔の赤みが引いてきた。 そんでやっぱり少し醒めたような、ちょっと困ったような顔。 「・・・あの、進藤。言ってもいいか。」 「何?」 「いや、着けるのはまだしもホックがね・・・、後ろのホックが掛け違えているんだ。」 「え?どういうこと?」 「上のホックと下のホックがひっついている。あとの二つは遊んでいる。そういう状態。」 やけに要領よく説明されて、顔がカッと熱くなった。 ぎゃ。オレって何てマヌケなんだー!色気もクソも台無しじゃん! それでセクシーポーズ(自分的)とってたなんて、バカー!オレってバカ! 「・・・直そうか?」 「うん・・・頼む。」 胡座をかいて背中を丸めたオレの後ろに塔矢がゴソゴソと移動する。 背中に冷たい指が触れて、ブラの後ろを摘んだ気配がした。 「あ、しかもキミ、ホックじゃなくて縫い目に引っかけてるぞ。」 「あ・・・そ・・・。」 それから塔矢は「結構きついんだな。」とか「苦しくないのか。」とか ぶつぶつ言いながら直してくれた。 オレも「苦しくねーわけねーじゃん。」とかボソボソと答えた。 「よし!完璧だ。」 塔矢が軽くポン、と背中を叩いて前に回る。 「サンキュ。」 「どういたしまして。」 それからオレの腕に手を伸ばして来た。 ああ、肩紐が落ちてるのを直してくれるんだ。 ・・・と思ったら。 紐を指に掛けたまま、動かなくなった。 その目はオレの胸の辺りを、じーっと見てる。 オレも連られて下を見ると・・・ 肩紐が落ちてる方の乳首が、多分塔矢の角度から見るとレースの上から 覗くか覗かないかというぐらいに見えてるんじゃないかなーって感じだった。 あ、これってもしかして・・・。 それで膝で塔矢の股間をぐりっと押したら・・・ちょっと硬くなりかけてた。 オレがニヤニヤ笑うとムッとしたが、すぐに照れたような顔になる。 「・・・こういうの、ちょっと興奮するな。」 「そうなんだ?オレが脱いでも怒ってただけのくせに。」 「だから。丸出しはちょっと違うんだ。」 そういや加賀も何かそういう感じの事言ってた気がする。 「よく分かんねえけど。」 「だからこういう感じで。」 と言いながら、塔矢の手がブラの中に入ってくる。 そして中のオレの乳を包み込むようにすると手ブラジャーみたいになって、 ちょうど余っていた布が張った。 「加賀の彼女って胸デカいんだな・・・。」 「そうだね。」 「でもこれも・・・ちょっといい感じだな。」 「そう。それは良かった。」 レース越しに触ると、塔矢の手の甲ではあるけれど、自分の胸が大きくなったみたいで・・・。 いや、ブラの中に他人の手があるってのがいいのか。 よく分からない。 「・・・・・・。」 「じゃあ離してくれ。」 「・・・えっと、あのさ、オレも、興奮して来ちゃった。」 「え。」 塔矢は思いっきり引いた顔をした。 手を離すとするっと逃げていく。 いや、いいんだけどさ。 「あ、ゴメン。」 「いーよいーよ。加賀に電話して暇そうだったら来て貰うし。」 「それって・・・したいってこと?」 「うーん、そうなんだ。偶にしたくなる。」 「へえ・・・どんな感じなんだろう。」 「だから、出したいんだって。」 「ああそういう事か。ってだから出ないだろ。」 「ホントそれがもどかしいんだけどさ、こういう時に入れて貰ったらもしかしたらイクかも知れないし。」 「・・・・・・。」 「イクってのは多分、その、イク時にきっと似てて。」 射精感がなくてイクってどんなんだって凄く気になるよな、なんて何故か 無駄にしゃべりながら、ケータイに手を伸ばすと、塔矢がその手を押さえた。 「何?」 「あの・・・。」 「あー、ゴメン。もしかして時間潰す場所いるの?加賀が来れないんだったらいてもいいけど。」 「そうじゃなくて。」 「んだよ。」 ジーンズで裸の上半身にぶかぶかのブラ着けたオレと、きっちり襟のボタンを止めて スラックスってんだっけ、変なパンツを穿いた塔矢が膝立ちで 黙々とケータイを取り合ってるのはかなり変な状況だった。 「聞いてくれ!」 「だから!何だっての!」 「・・・ボクは・・・、キミの事を愛しているんだろうか。」 「はぁ?!」 いきなり何を言い出すんだこの男は。 「愛している」とかってのも変だし、(コイツホモなのか?) 「だろうか」って何でそれをオレに聞いてくんだよ。 何かの冗談?ここは黙ってオチを待つべき? −続く− ※ヒカルの思考に一貫性がないのは、自分が女だと言うことを忘れたり思い出したり してるからです。 |
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