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なつやすみ4 「進藤・・・無理だ!・・・裂ける!」 「裂けねーよ。いつだってすぐに旨そうにくわえ込むくせに。」 「そんな、こと!・・・今日は無理!」 「今日だけ無理なんて事あるか、よ・・・っと。」 「・・・いっ!」 自分の悲鳴で目が覚めた。 汗をびっしょりかいている。 隣では進藤が、あどけない顔で少し口を開いて寝ている。 その口の端から涎が垂れかかっていて、ボクはぼんやりしたままティッシュを取ってそれをそっと拭いた。 だんだん暑くなってきて、進藤が「おひるねする」と言うので、 添い寝しながら絵本を読んでやっていたんだった。 こんな時、いつもだったら進藤が寝入った後起きあがって一人で棋譜並べをしたりしているのだが 今日はボクも彼の隣で一緒に寝てしまったらしい。 だからあんな夢を見たのか・・・。 まだ動悸が激しくて、手が震えている。 そして・・・勃起していた。 ボクは自分から進藤を好きになった。 だから彼がボクの気持ちに応えてくれた時は嬉しかったし、 だから抱かれもした。 だが心の中では、いつも痛い事はいやだと思っていた。 勿論ボクにも性欲というか進藤と触れ合いたいという気持ちはあったが、 人目に付かないところで手を繋いだり、キスをしたり、 裸でただ抱き合ったまま添い寝したり、それだけじゃダメなのか?といつも思っていたはずなのに。 今こうしてただ添い寝出来るのは、幸せなはずなのに。 ボクは・・・進藤に、入れられたいのか・・・? 「・・・塔矢?」 気付くと進藤が目を覚ましてぼうっとこちらを見ていた。 「おはよう。」 「ん〜・・・お、はー・・・。」 猫のように眼を細めて、そのままゴロゴロと転がって来る。 そしてボクの腰に頭を押しつけるように抱きつき・・・。 「・・・れ?塔矢のおちんちん、かたくなってる。」 「・・・うん。ちょっとね。」 「わーかたくなってやんの〜!」 いつも自分だってボクが触ればすぐなるくせに。 「ねえ、見せて見せて!」 「いやだよ。」 「ずるーい!」 「ずるくない。」 進藤はぷっ、と頬を膨らませた後、いきなりボクに飛びかかってきた。 当時も今も、ボクは進藤と本気で喧嘩したことがない。 だからどちらが強いのか分からないが、少なくとも記憶を失った後は、 どこかまだ長い手足を扱いかねている進藤の攻撃を、最小限の小技で封じてきた。 6歳の進藤と遊ぶ・・・というか面倒を見るようになって、 ボクは生まれて初めてプロレスごっこというものをした。 力自体は拮抗しているかも知れないが、ボクが「あ!」と言って窓の外を指さすと 進藤は簡単にひっかかって力を抜いてそちらを見た。 ちょっと脇腹をくすぐると、すぐに「わーゴメンなさい!」と笑いながら身を捩った。 ・・・可愛かった。 とにかくいつもそんな調子で、進藤が本気になる前に上手く逸らしてきたのだ。 まだまだ負ける気はしなかった。 だがこんな風に急に押し倒されると。 妙な懐かしさに、縋りたいような気持ちが湧いてきて。 ダメだダメだ。一度勝ったと思うと子どもはつけ上がる。 甘やかしちゃダメだ。 だ・・・め・・・。 ジッパーを下ろす音。 「塔矢・・・あつい。」 久しぶりの、本当に久しぶりの進藤の手の感触。 「塔矢・・・くるしい?」 すっかりプロレスごっこを忘れて、心配そうな声を出す進藤。 「オレ、してあげよっか?」 「・・・いい。しなくていい。」 「してあげる。」 キミは全く。 昔っから人の言うことを全然聞かないんだな。 たどたどしくボクのモノを握る進藤。 そんなのじゃ、イかないよ。 思わず苦笑して・・・これも思わず、手を添えた。 これでは自分でやってるようなものだ。 でも・・・これは進藤の、手だ。 思うだけで・・・どんどん体が熱くなる。 「しん、どう・・・。」 とその時、進藤の手が、意思を持って動き始めた。 「進藤・・・?」 手を離すと、握り方を変えてリズミカルに動き出す。 手が・・・覚えているのか? 進藤の顔は真剣そのものだ。 その顔がだんだん近づいてきて・・・ごく自然にボクの先を、ぺろりと舐めた。 「・・・う・わー!ぎゃーきたねー!」 自分で驚いて飛び逃げ、ティッシュを何枚も抜いて力一杯突き出した自分の舌を、 一生懸命拭く。 でも、進藤。今、キミ何をした? もしやと思って、その顔を覗き込む。 でもそこにある半泣きの表情は、幼子のもので・・・。 ああ・・・。 一瞬何かの回路が繋がっただけ・・・か。 進藤の記憶は、戻って、いない。 その夜、またいやらしい夢を見た。 今度は6歳の進藤に、ボクが手取り足取り教える夢だ。 ボクが突きだした人差し指を、すぐに進藤は上手に舐めるようになった。 そしてその舌は、下に移り・・・。 「進藤、上手だよ。」 顔を上げて嬉しそうに微笑んだ進藤の・・・目が・・・。 「進藤?ちょ、ちょっと待っ・・・、そこは無理だ!」 「・・・何言ってんだ。・・・今日だけ無理なんてことが、あるかよ。」 「!・・・・進藤?!記憶が戻ったのか?」 「前から戻ってたよ。オマエがあんまり優しく教えてくれるから、子どものフリしてただけ。」 「な、なんて奴!なんて奴!」 「楽しかっただろ?6歳のオレは、可愛いかっただろ?」 それは、そうだけど。 可愛いと思ったけれど。 でもボクは。 「あ・・・。」 初めて、入れられて嬉しい、と思った。 目が覚めるとまだ夜中で、つい隣に進藤がいないか探してしまった。 いるわけないか・・・。 今頃彼は自宅のベッドで、愛用のクマのぬいぐるみと一緒に寝ているはずだ。 溜息を一つついて、布団の上に座る。 月光に照らされた、部屋をもう一度見回す。 そして ボクは涙も流さず、自分で自分を慰めた。 −了− ※やっと16歳進藤のキャラがちらりと。 |
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