ドッグ・イーツ・ドッグ2
ドッグ・イーツ・ドッグ2










ベッドに並んで腰掛けたボク達はさて、とくつろぎ、見つめ合い、戸惑った。


「え・・・と。どうしよう。」

「ボクに聞くな。」

「こういう場合、やっぱ、もうちょっと詰めて座った方がいいな。・・・オマエ足開いて座るなよ。」

「放っておけよ。」

「頼むよ『アンナ』。」

「・・・ったく。」


舌打ちをしながら膝を閉じて少し斜めに女の子座りをする。
進藤はすぐ横にぴたっとつき、ん〜、とまた唸った後


「・・・肩抱いていい?」

「いいよ。」

「今のは『アンナ』?それとも『塔矢』?」

「どっちでもいいじゃないか。」

「まあな。」


進藤に肩を抱かれて、二人で前を見てしばらく座っていた。
あんまり動かないのでイラっとし始めた頃、進藤が肩の手を上に移動させてボクの頭を押さえ、
自分の肩にコトリともたれ掛からせる。

アンナさんは知らないが、ボク達の座高はほぼ同じくらいなので
(身長はボクの方が高いのにこれはどうしたことだろう。)首が辛い。


「進藤、首が、」


と言いかけたら、反対側の手で、す、と顎を持ち上げられた。
仕方なく持ち上がった顔の前に進藤の顔があって、キスをされた。


「・・・いつもこんな事してるのか?」

「いや、別にいつもは正面から・・・。」

「顎を持たれるっていうのは好みが別れる所だな。少なくともボクはあまり好きではないが。」

「ええ、そうなの?って誰もオマエの好み聞いてねーよ。」

「ボクはキミの為を思って言ってるんだが?」

「ああはい、すみません。じゃあ、」


と、進藤は今度は首の後ろに手を回して、上半身を抱くように唇を合わせてきた。
今度はまあまあか、と思っていると、そのまま後ろに、押し倒されるように、


「痛っ!」

「あ、ごめん!」

「ボクは手を突けないんだから、キミがちゃんと支えろ!」

「だってオマエ重いんだもん!」

「『しっつれ〜!アンナ帰る!』。」

「わー!ごめんなさいって!・・・でも、ふぅ。結構疲れるな。」


しばらく横たわったまま、一休みしているらしい進藤の体重を支え続けた。









「・・・キミも結構重いぞ。」

「悪りぃ。んじゃ続きな。」

「ああ。」


ボクに重さを掛けないように体の脇に手を突いた進藤の唇が、頬に触れる。
耳に触れる。首に触れる。
へえ。女の子相手だったらこんなことするんだ。


「『ヒカル。』」

「『大丈夫、だから。』」


シャツのボタンに片手の指をかけ・・・外そうとしてなかなか外れない。無器用な。


「自分でやるよ。」

「ダメ!オマエはアンナなんだから、何もしないで寝てて。
 出来ればちょっと震えてくれたりすると可愛い。」

「無茶いうな。」


ついに進藤は肘で体を支え、両手でボタンに取り組み始めた。
ボクは言われたとおりにマグロのように横たわり、天井を見つめる。

やがてやっとの事で全部外し終わり、ランニングをたくし上げて、胸を露出させた。
いつものように脇や乳首をぺろぺろと舐められると、やがてボクの息も荒くなって来て・・・。
と、進藤が急に動きを止めた。


「ぶ・・・。」

「ぶ?」

「ブラジャーって・・・どうなってんだろ?」

「ブラジャー・・・、か。」


それは気付かなかった。気付いてもアドバイスのしようもないが。


「ちょっと今から急いで買ってくるからさ、」

「冗談。」

「着けてみてよ。」

「馬鹿っ!絶対嫌だ。」

「だって外れなかったらカッコ悪いじゃん。」

「知るか!それに、ホックだって色々な種類があるかも知れないだろう?」

「ああそうか。」

「きっと彼女が自分で外してくれるさ。」

「なんかそれもなぁ。」

「それにそれこそ上手すぎたら困るポイントじゃないか。」

「あ、本当だ!それもそうだな。」


ホンットにこの馬鹿は!と思ったが、丸め込み易いのは助かる。








進藤はボクにする時には考えられないほど、そうっと、そうっと、体に触れてきた。
だがズボンと下着を脱がせるときに


「ちょっと腰持ち上げて。」

「キミ、だんだんなんかどうでも良くなって来てるだろう。」

「んな事ねーよ。だからこんなに。」


と、下着を取られて既に半分くらい勃ちあがったモノにふっと息を吹きかけられる。



「〜〜〜〜!」

「キモチいいくせに。」

「『ヒカル、いやらしい。』」

「すみません。」

「本当にあまりじっと見ない方がいいんじゃないか。」

「恥ずかしい?」

「うん。キミが異性だったら、と思うとかなり恥ずかしい。」

「その恥ずかしがる様子がまたイイんだけどな〜。」

「多分そういうのを『オヤジくさい』って言うんじゃないだろうか。」

「あそっか。よし!こっからは本気モードでオマエをアンナだと思うから、オマエもなりきれよ。」

「はいはい。」


進藤は少し体を離して少し複雑な顔をした後、


「・・・『アンナの体、きれい。』」

「悪かったな。男で。」

「ああいやそうじゃなくて、ホントに男にしてはキレイだな、と思ってたんだ。」

「はあ?」

「色白くて毛が薄くて。まあそうじゃなかったらこんな事にはなってないんだけど。」

「それはどうも。」

「アンナだったらそこで照れる!」

「・・・『いやだ見ないでよぉ。恥ずかしい。』」


ボクが自己嫌悪に眉をしかめていると進藤はにっこり笑い、
大急ぎで自分の服を脱いで、覆い被さってきた。


「『アンナ、好き。』」

「『うん。』」

「『好き。好き。・・・好き。大好き。・・・』」


完全に入り込んでるな。
でも・・・きっとこれは可愛い。
ここまでされたら女の子も心をほだされるだろう。後で褒めておこう。








やがておずおずと内股に手を這わせた進藤が、ボクの足を開く。
こういう時女の子は多分・・・。


「『ヒカル、やっぱり怖い。』」

「『大丈夫だから。力抜いてオレに掴まってて。怖くないから。』」


怖い怖くないというのは主観だから他人に決められたくないが、
恐らくアンナさんはそんな所をつっこんだりしないのだろう。
目を瞑って進藤の肩を縋り付くように掴む。
進藤は乾いたままのボクの尻に先を押し当て・・・


「『アンナも、オレのこと好き・・・?』」

「じゃなくてちょっと待てーっ!」

「んだよ。」

「まさか濡らしも馴らしもしないで入れるつもりじゃないだろうな!」

「だって女の子にはそんなことしないよ。」

「絶対無理!両方痛いだろう!」

「えー。でも。」

「キミだって経験済みだろう?最初の時入らなかったらしいじゃないか。」

「だって女の人は勝手に濡れるんだもん。」

「・・・処女でも?」

「え?」

「快感を知らない処女でも、勝手に濡れるのか?」

「ええ・・・と。どうだろう。」

「濡れたら濡れたで構わないが、一応濡れないものとして準備しておいた方が万全だろう。」

「なるほどな。でもいきなりローションってのも。」

「それはいかにも拙そうだな。やはり自家製で。」

「そだな。塔矢、舐めて。」


進藤はいきり立ったモノをボクの顔の方に向けてくる。


「・・・キミはアンナさんにそんな事をさせるつもりか?」

「いや・・・。」

「じゃあ自分でなんとかしろ。」

「う〜ん・・・。どうだろ。やっぱ事前に触って気持ちよくさせたら濡れてくるのかな。」

「させられるのか?」

「自信ない。やっぱ穴の付近を触ってたらいいかな。」

「闇雲に触ればいいというものでもないと思うが・・・そうだ。得意のネットで調べたらどうだ?」

「調べたさ。でも意外と女の子とのヤリ方って具体的なのはないのな。
 エロサイトはあるんだけど、肝心な所が隠してあるというか具体的じゃないというか
 『その真珠が』とか言われてもわかんねーっての。」

「う〜ん・・・。中なら確実って感じがするが。」

「いきなり指突っ込んで指で処女膜破れたらどうすんだよ。」

「処女膜ってそういうものなのか?」

「いやわかんないけど。てかオマエが処女膜って言葉知ってるのが。」

「保健体育の授業でちらっと聞いただけだ。」

「おお!やっぱさすが海王!ついでに女の子はどこが気持ちいいか習わなかった?」

「キミは海王を誤解している。」

「冗談だよ。」

「・・・・・・。」

「とにかく処女膜は指なんかで破っちゃいけないの。オレルール。」

「そんな浅い場所にあるものなら開脚前転しただけで破れそうだぞ。
 それに金魚すくいの丸いのじゃあるまいし、触っただけで破れるものか。」

「どっちにしろオレが思うにな、感じる所ってのは多分処女膜の向こう側にあるんだよ。」

「そうかな。」

「それに最初にそんな大事な所に手で触られるのってどうよ。」


自分の経験を思い出してみる。
ボクには当たり前だが処女膜はなかったが、指で馴らさないと痛い、と言われていなければ
絶対触らせてなかった。
かなり恥ずかしいし・・・体内に異物が、しかも普段白日の下に曝されている指なんてものが
入ってくるのは、相当気色悪いし抵抗がある。


「・・・嫌だな。」

「だろ?・・・仕方ないな。自給自足か。」


進藤はちょっと用法の違う事を言って自分の掌を舐め始めた。








「見るなよ。『アンナ』。」

「あ、ああ。すまない。」


進藤は自分の唾液で何とかするつもりだろうか。だろうな。
馴らさずに入れられるのは記憶にある限りでは初めてだが、
最初は痛くてもまあその内気持ちよくなるだろう・・・。

ぬめりを持った進藤のモノが入り口に当てられる。


「『ごめんな、アンナ。ちょっと我慢してな。』」

「『う、うん。』」


覚悟を決めて進藤の肩に掴まると、進藤もボクを抱きしめた。
その手に力がこもり、そして次に・・・。


「痛いっ!!!」

「『ごめん、アンナ。』」

「無理!無理だって!」

「『オレに、掴まってて。』」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!本当に痛い!」

「『最初はちょっと痛いと思うけど。』」

「ちょっとじゃない!」

「わ、逃げるな!」


手と背中を使って上にずり上がろうとしたボクの肩を、進藤が渾身の力で押さえ込む。


「・・・やっぱ最初に手は腕の中に入れて抱きしめておくべきだな。」

「鬼!」

「我慢しろよ。アンナは初めてだからきっともっと痛いんだぜ?」

「これ以上痛かったら気を失う!」

「その方が楽かも。」


本気で腹が立ってきた。





最初(だから合意の上での初体験だ)も痛かったが、比べようがない程痛い。
あの時はまだ、異物が入ってきて気持ち悪い、などと感じる余裕があったが、
今回はただ痛みだけが全脳を支配していた。
指の一、二本がこの痛みの差を作るとは。人体の神秘。

と感心している場合ではなく、少しでも痛みを和らげる為に必死で息を吐き、弛める。
それでも涙が目尻からこぼれ落ちた。
ボクの中の進藤がどくん、と脈打つ。
流れた涙を愛おしそうに舌で舐め取る。


「『ごめんな、アンナ。すぐに終わるから。』」


進藤、入り込んでる場合かーっ!
彼の分身もまたずるりと入り込んできて、再び涙が滲んだ。
いやだ、と言おうとしたが呻き声しか出ず、しかも痛かったので、もう何も言えなくなった。
ボクが大人しくなったからか、進藤がゆっくりと動き始める。
出入りする度に、ボクの口から掠れた悲鳴が漏れた。


「『好き。好き。アンナ。好き。好き・・・。』」


耳元で囁き続ける進藤の声。

絶え間ない痛み。


「『ごめんな。ごめん。でも、好きだから。大好きだから。』」


耳元まで達した涙の筋。

既に他人の物のように聞こえる自分の悲鳴。


どれ程時間が経ったのか分からなくなった頃、進藤が「うっ」と呻いて動きを止めた。







「ごめんな。塔矢。」

「・・・・・・。」

「まさか本当に切れるとは思わなかったんだよ。」

「・・・・・・。」


進藤が慌ただしくティッシュを取り、横たわったままのボクの腰の下に詰め込む。


「とう、」

「進藤。」

「何?」

「腹が痛い。」


進藤虚を突かれたような、笑いそうな、申し訳なさそうな、顔をした。

そうなのだ。
進藤は今回ゴムを使わず、初めてボクの腹の中に出した。
おかげで・・・。
しかもこの状態で排泄したらどうなるか・・・考えただけで血の気が引く。
だがその時は確実に近づいている。


「忘れてた・・・。し、初めてのセックスでゴム付きってのも。」

「何を言っている。ボクだから腹を下すぐらいで済むが、子どもでも出来てみろ!彼女の人生滅茶苦茶だ。」

「いやあ、出来たら出来たで結婚してもいいんだけどな〜。」

「キミ、日本の法律を知らないな?男は18歳になるまで結婚出来ないんだぞ。」

「え。そうなの?」

「それまで未婚の母・・・というのは辛すぎるだろう。」

「まあ、なあ。」

「いいか。18になるまでは何が何でもゴムを忘れるなよ。」

「うん。分かった。」

「それから・・・ボク相手の場合は、そのリミットは、なしだ。いつ何時でもゴムを付けてくれ。」


ボクは這いずりながらトイレに向かった。







「大丈夫?」

「ああ・・・。シャワー借りたぞ。」

「うん。じゃんじゃん使って。」

「いや・・・。それと悪いが今日は泊めてくれないか。」

「いいよ。明日彼女来るの学校帰りだし。・・・ごめんな。無茶して。」

「本当にな。ボクがアンナさんだったらもう二度と来ない。」

「怖い事言うなよ〜。」

「冗談じゃないぞ。同じ体験を彼女がするとしたら、これは・・・本当に考え物だ。」

「そうか・・・。賭だな。」

「って思いとどまろうとは思わないのか?」

「えー!だって折角のチャンスだし。今日のを参考にしてもうちょっと優しくやるよ。」

「優しく、な。」

「あーもう。ホントにごめんって。」

「いや、いいけどね。自分でも合意したんだし、キミがゴム着けてないのに
 気付かなかったのもボクが悪いしずっとボクの耳元で好きだ好きだと言っていたから
 血が出てるのに気付かなかったのも本当だろうし。」

「もうすみません。勘弁して下さい。」

「でも・・・。」

「?」

「ああやって名前を呼んだり好きだと言い続けるのは、有効かもな。」

「だよな?前オマエの番の時に何か言ってくれた・・・って気持ち良かったんだ?」

「調子に乗るな。そんな余裕はない。ただ気のせい程度に痛みが和らぐ気がしただけだ。」

「そう?オレもオマエをアンナと思いこんで名前呼んでたら、すっげー気持ち良かった。
 まあゴムつけてなかったってのもあるだろうけど。」

「へえ。生だったらそんなに気持ちいいんだ。」

「・・・って、オマエ、やめろよな!」

「そんな事言えた義理か?」


進藤は本当に青ざめた。
からかうのはこの辺りにしておいてやろう。


「冗談だ。衛生上問題ありそうだしな。」

「ははは。ビビらせるなよ。」

「・・・・・・。」

「嘘嘘!ああでも、これからもう1つお願いがあるんだけど。」

「何だ?」

「声が、気持ちいいんだよな。」

「声。」

「オマエの涙とかも結構キたんだけど、あの、最中の声がさあ・・・。」


進藤は宙を見つめてうっとり目を細めたあと、顔を赤らめて股間を押さえた。
声って、あの痛みのあまり漏れた悲鳴の事だろうか。


「痛がってたんだっ!」

「うん、分かるんだけど、ホントすげー感じた。色っぽい声だった。」

「変態くさいな。」

「オマエ普段ほとんど声出さないじゃん?殺さないで出して欲しいなあ。」

「・・・キミ、自分の墓穴掘ってるの分かってるか?」

「へ?」


今度、声を殺したくても殺せないような状況にしてやる。
キミも処女の気分を味わうといい。








「それにしてもこれはまずいよな。」


進藤が布団カバーについた血の滲みを指でつまむ。


「まるでオレが他の子にも血を流させるような事してるみたいじゃん。」


それは・・・力強く突っ込んで欲しがっているのか?


「・・・替えのカバーはないのか。」

「実家。」

「まったく。新しいカバーを買うしかないな。」

「でも・・・新しくしてもどうせまた明日血で汚れるだろうし。」

「キミという男は・・・。」

「あ!こんな時こそレジャーシー・・・」

「それだけはやめておけ。」

「やっぱダメか。」

「ダメもダメ、キミが映画で作った雰囲気を粉砕しておつりが来るどころか同じくらいマイナスだ。」

「そっか・・・。あ、防水のベッドカバー買ってきたらいいんじゃん?」


そんなものあるのか、あるとしたら何の目的があってそんな物を商品化したのか訝しすぎる、
と言いたいボクに構わず、進藤は財布を握って元気に飛び出していった。








−続く−







※この進藤、かなり酷い。


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