青 4
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その後も部屋のワインを軽く飲みながら話していたが、
結局、少年はキラは世界中にアジトを構えては捨てていた、と推理した。


「それだけのリスクがある筈だよ。キラという活動には」

「その資金はどこから?」

「それは、遠隔殺人を使って何か資金源を確保していたと思うしかないよな。
 それよりお兄さんの、あのビルでLが死んだ説の方が無理がある」


私はあのビルはLが建てた物で、Lが死んだから人がいなくなった、と
「事実」を推理してみせたのだが、少年は可笑しそうに否定した。
Lが死んだならビルは解体される筈だとか、
都が押収しないという事は誰かが管理している筈だと。


「だから、お兄さんの推理通りLが建てたのなら、Lは生きている事になる。
 Lが建て、いつでも拠点として使えるように置いてある、というのは妥当だけれど
 それならそれはキラにも言える事だよね」

「そうなりますね」


適当に手酌をすると、少年が横からグラスを奪い取った。


「大丈夫なんですか?」

「ああ。何だか美味しく思えてきた」

「既にかなり酔っているように見えますけど」


部屋に帰って来てからは少年は舐める程度にしか飲んでいないが
その顔は再び紅潮している。


「……だって。こんなホテルに来て……お兄さんはずるい」


そう。
少年のボクサーブリーフの下の突起に、私は気づいていたが
気づかない振りをしていた。
その事すら、お見通しだったのだろう。


「で、酒を飲む?」

「飲まずにいられないね」

「私は、どうすれば?」

「それがずるいって言うんだよ」

「すみません。どうも私には、サディスティックな一面があるようです」

「なら僕も同じだ」

「そうですか……でもこのまま朝になるのもお互い困るでしょうから、
 ここは一つ妥協しましょう」

「どんな風に?」


悪戯っぽく笑う少年を、抱き上げてベッドに運ぶ。
少年は巫山戯て私の首にしがみついて頬にキスをした。


「お姫様みたいだ」

「はい。どうかこの哀れな騎士に、お情けを賜りたく」

「苦しうない」


恥を忍んで芝居がかった台詞を言うと、少年も乗ってきた。


「私の方からさせて下さいと言ったのですから、
 あなたも一つ言う事を聞いて下さい」

「いいよ。何?」


ハンガーに掛けてあった自分のネクタイを持ってきて
ぱん、と扱いて見せると、目を見開く。


「縛らせて下さい」

「ああ、そういう趣向?」


それでも笑いながら手を差し出すので、遠慮無く縛ってベッドヘッドに
縛り付けた。


「お兄さん、結構変態なんだね。最初の時を思い出すな」

「その節は無理矢理な事をして本当に申し訳ありませんでした。
 嫌でした?」

「嫌というか……お兄さんが情熱的だったからとにかく驚いてた」

「はい。もう、我慢が出来なくて」

「そんなタイプにはとても見えないけれどね」


大人しく縛られたまま、疑い深げな目でこちらを見上げる。


「ではどんなタイプに見えますか?」

「本当に僕を手に入れたいのなら、外堀から埋めていくタイプ」

「なるほど」


だから、肉体が「外堀」なのだ。
おまえの場合。

前世の記憶が戻っても戻らなくても、夜神と同じ形の精神をしているのならば。
下手に出たり根回しから始めれば、おまえは私を支配しようとするだろう。

だから先に肉体を支配してしまえば。
おまえの精神は私に着いてくる。

それがどんな形の執着であっても。


その細い身体を抱きしめて乳首を弄り、下着をずらして性器を舐めていると
少年は身を捩って私を求めた。


「お兄さん、ねえ、もう」

「何ですか?」

「欲しい……!入れて、ねえ、」


もしかしたら、こうして少年が私をねだるのはこれが最後かも知れない。
感慨深く尻の穴をほぐし、押し入れると、小さな悲鳴を上げた。


「ああっ、熱い……」

「あなたの中も」

「気持ち、良い……もっと、奥まで、滅茶苦茶にして……」




変化があったのは、絶頂の直前だった。


「あ……!お兄さん、い、イく……イきそう……」

「はい……」


抱きしめて、腰の動きを早めていると


「ああ……あ、いい……もう、…………え?」


腕の中の胴が、銃で撃たれでもしたかのように
突然大きく跳ねる。


「はい?」

「え?!嫌だ、ちょっと待っ、」

「止めるんですか?」

「止めないで!……いや、違、……え?」


突然、やたら混乱しだした様子だったが、その腰は休み無く動き
私のペニスを離すまいと銜え込んでいる。

構わず腰を動かしていると、少年の中は今までに無く私を締め付けた。
身構える前に無理矢理に搾り取られて、気を失いそうな快感に
一瞬頭が真っ白になる。


「う……ああああああああああっ!」


コンマ五秒遅れて、少年も獣染みた吠え声と共に、勢いよく射精した。

快楽に脱力しそうになりながら、マットレスに手を突いて
その様子を観察していると。
瞼を大きく見開いたまま視線は私を通り越して、天井を見つめている。
その目からは何故か大量の涙が溢れ続けていた。

そして、どくん、どくんと射精が続く度に、身体全体が大きく痙攣している。
その度に中も締まり、痛いほどだ。


「……抜きますね」

「……」


ずる、と出すと、尻の穴から私の精液がとろりと垂れた。
ティッシュで拭いながらもう一度その顔を見ると、目を閉じて気を失っていた。






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