「可愛がってくださいね」3
「可愛がってくださいね」3








Lは僕の肩を押して、ベッドに座らせた。


「……良いですね?」


耳に囁かれて、顔が熱くなる。


「待って、」

「今更?」

「あの、電気を。電気を消して下さい」

「……」


Lは少し不興げな顔をしたが、黙ってベッドサイドにあった
コントローラーを操作して部屋の電気を消してくれる。


「全部、消して下さい。恥ずかしいから」

「私はあなたの身体、じっくり見たいんですけどね」

「駄目です」


男が立ち上がり、入り口付近の常夜灯やフロアスタンドを消すと
窓からの街灯りに、全ての物が輪郭だけになった。


「これで良いですね?」


Lは少し手探りで、僕の肩を掴んだ。
もう一度、頭を引き寄せキスから始める。


「……私、あなたに謝らなければならない事が」

「今更生理とか言わないで下さいね?」

「違いますけど!」


ああ……あまりにも直截な質問は、男らしいを通り越して不躾なんだな。
女性を相手にする時は気をつけなければ。


「あの」

「はい、何でしょう」

「私……初めてで……」

「……はい?」

「ですから。こう言った、事を、男の人とした事が、なくて」


間違いなく、嘘では無い。
けれど声が震えた。


「……それは、その、本当ですか?」

「嘘だとでも?」

「いえ……その……あなたみたいに綺麗な人が、その年まで処女というのは、」


Lが、狼狽している。
その事実はあまりにも笑えた。
「世界一の名探偵」が、たった一人の処女を前に、言葉を失う。

男は先程までの慣れた動きから一転、おずおずと言った様子で
僕の肩を抱き寄せる。
僕はLの服の端を握りしめ、その肩に額を押しつけて息を吐いた。

呼気が震える。
覚悟を決めたとは言え、やはり怖い。
初めて男と寝る女の子は、こんな気分なんだろうか。


「……私が、教えます」

「……」

「優しくします」


Lも、心なしか微かに震える声で、囁いた。
同時に手が肩を滑り、カーディガンを脱がせようとする。

Lの肩越しに、死神が意味ありげに首を傾げた後
窓から外に飛んでいくのが見えた。


「待って」

「……」

「その、あなたはご存じかどうか知りませんが、大半の日本の女性は、
 男性に肌を見せたり触らせるのを好みません」

「そう、なんですか?」

「私もそうです。ですからどうか、私に任せて下さい。
 初めてで至らないと思いますが、頑張りますので」


短期間に培った演技力で、無茶な事を言ったが
Lは僕の服から手を引いてくれた。


「東洋の女です」


そう言って僕はLをベッドに押し倒し、つい、女にするようにシャツの裾から
手を入れる。
滑らかな、意外と筋肉のついた腹を撫で上げ、胸を触り、
乳首を軽く刺激するとLは声にならない声を上げてびくん、と震えた。

ジーンズのボタンを外し、ゆっくりとファスナーを下ろすと
中では木綿のトランクスがテントを張っている。
引き下げると、牡の匂いが立ち上った。


「……凄い」


それはあまりにも男で、僕は自分が男を相手にしている事を突然実感する。
どうやら僕は、精神の奥深くでどこかまだ観念していなかったようだ。
女々しい事だ。


「すみません」


Lは何故か謝り、気まずそうにもぞもぞとした後、自分でジーンズと下着を脱ぐ。
僕は吐き気を堪えて、そのペニスに触れた。


「そんな事」

「触りたいんです。触らせて下さい」


触りたい筈がないが、僕が動きを止めればLが動きそうだった。
僕の身体に触れられては困る。

そうっと何度も摩っていると、先走りが先端で透明な玉になる。
出来れば手だけでイッてくれないかと思ったがやはり無理か……。

僕は頭を下げ、Lのペニスに頬ずりをして覚悟した。


「うっ、」


僕が先を口に含むと、Lが小さく呻いてゾッとする。
まさか、いきなり出さないだろうな?

吐きそうになりながら、何度か口を上下したが、これでは射精出来ないだろうな、
と自分でも思った。
だが、これ以上サービスする気にもなれない。


「……月さん。あの、もう」


Lが控えめに懇願して来るのに、今日何度目かの覚悟を決める。
自分が使うつもりで財布に入れていたコンドームを取り出し
先に被せると、Lは自分で着けます、と言って僕の手を押さえた。

Lが装着している間、僕はスカートを捲り上げ、ブリーフをずらして
こっそりと手に垂らしたベビーローションで、尻の穴を濡らした。

情けない……何が悲しくて、自分の尻の穴に。

だが命が掛かっていると思えば仕方ない。
どうせコイツは、遠からず殺さなければならないんだし。


「出来ました」

「……」


Lは感心にも、主導権を握ろうとせず大の字に横たわっていた。
その腰を跨ぎ、固い物を自らの尻に導く。
先端の丸みが、穴に当たった。


「入れますね……」

「はい」


腰を落とすと、ローションのお陰かスムーズにぬるりと入り込んで……






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