男前Lお題---コスチュームプレイ 3 「分かりました」 僕は、物分りが良さそうな口調で言う。 そして腰を掴み、動きを早くした。 Lは、肘を突いて手を組み、頭を垂れて祈るように耐えている。 僕が逆の立場だったらそんな事をするだろうかと少し思ったが、 Lがしているのだからきっとするのだろう。 動きながら、滑りをよくする為に時折クリームを足していたが いよいよぐちゃぐちゃと音がするようになってきて……。 そろそろか。 さりげない振りをして親指を滑らせ、Lの尻の穴に爪先を潜り込ませる。 「ちょっと!何するんだ」 Lが咎めるのを無視して足の間からペニスを抜き、谷間に添って上に滑らせると 思い切り腰を捻って逃げられた。 「さっき!」 横向きになったLは驚愕と嫌悪の入り混じった顔をしていて、素に戻るかと思ったが すんでの所でゲームを思い出したらしく、声を低くする。 惜しい……。 「……さっき尻を使うなと言ったら『分かりました』って言ったよな」 「言いましたが、『L』は嘘吐きなので。再現しただけです」 「……」 Lは黙ったままやや目元を険しくした。 僕は、黙認されたものとしてその腰を引き寄せようとしたが、 「った!何するんですか!」 Lに、鳩尾を思い切り蹴られて、今度は僕が危うく素で怒鳴りそうになる。 「『月』として、思い切り抵抗するまでだ。 プライドが高い『月』なら、嘘を許容しない、そんな男に唯々諾々と 抱かれたりしないだろう?」 「ええ。しませんね。……が」 分かっている癖に、わざと僕を怒らせる為に下らない嘘を重ねていたのだろうか。 と思うと苛立つが、 「一回は一回です」 冷静に言ってその横っ面を思い切り殴ると、Lは頬に手を当てて不敵に笑った。 ……僕なら、そんな事はしない。 生真面目な顔できっと、何で殴られたか分からないって顔をするよ。 「……あなたが『月』を振りかざすなら、私も『L』らしく権限を利用して あなたを従わせます」 片足を持ち上げ、乱暴にズボンと下着を引き下げる。 「ゲームを終わらせたくないのなら……命が惜しいなら、大人しくしなさい」 「!」 Lは目を見開いた後、更に口の両端を上げた。 僕が脱がせるのに抵抗せず、片方の足だけ剥き出しになる。 「……という事は、やはりこのゲームが終わった時、ボクは殺されるんだな?」 「物騒な事を、嬉しそうに言いますね」 「それはやっと取れた自白だから。やはりボクは間違っていなかった」 今度は僕が笑う番だった。 「何の話でしょうか。あなたの好きな『ハッタリ』ですよ」 「そうかな?」 「勿論。ハッタリなんですから、あなたは従う必要ない。 いつでも『L』に戻って、ゲームを終わらせて良いんですよ?」 「……」 Lはまた口を閉じて、指を口元に持って行きかけたが咥えなかった。 残念にも思うが奇妙にも、ゲームを続行出来る事を喜ぶ気持ちも芽生えてきて。 僕はニッと笑ってLの膝裏に手をかける。 「今度は何、」 「あなたの物真似があまりにも上手いので、リュウザキくんだという事を忘れそうです。 やはりあなたの顔を見ながらしましょう」 言って毛脛を持ち上げると、Lは大股を開いてひっくり返り、 驚いたように僕を見た。 先程の余韻か、その股間にあるものは不十分ながらも上を向いている。 「約束を守るつもりは微塵もない、という事だな?」 「尻を使わないという話ですか?」 「……」 「あなたがもう一度懇願するのなら、考えても良いです。 プライドがバカみたいに高いのはお互い様ですから、見てみたいですね あなたの『お願い』」 「……」 いつも立て板に水のLが、今日は黙り込んでばかりだ。 まさかこれも僕の真似という事はないだろう。 Lの考えは分かっている。 この僕に頭を下げる事など、心情的には死んでも嫌な筈だ。 だが、実利の為ならそれくらいの事はしてみせる。 だから先程も弱音を吐いた振りをした。 実際、今日も昨日と同じ事をされる事を覚悟していたんだ。 今更耐えられない事はない。 だが、ここでこのまましてしまったら、先程の弱音が吐き損に……。 その他、騙すのは良いが自分が騙されるなんて許容出来ないとか、 色々なプライドや現実が頭の中を駆け巡っているのだろう。 「どうですか?」 「……分かった」 Lは、散々迷っただろうにそんな色を全く見せず、片足にズボンと下着を絡ませたまま 躊躇いなく座りなおした。 「ヤガミ、今日は痛い事をしないでくれ。この通りだ」 両膝に拳を置いて、頭を下げる。 僕は高笑いしそうになった。 「分かりました。痛くないセックスをしましょう」 「え?」 笑いを堪えてゆっくりと肩を押すと、抗いはしないが顔は険しい。 「何を、するんだ?」 「まあ任せて下さい」 手にハンドクリームを足してその陰茎を掴むと、Lは目を見開いたまま 歯を食いしばって横を向いた。 「『夜神くん』なら、こういう時は目を閉じます」 「嘘をつけ」 軽口を叩きながら僕は足の間に深く入り……自分の物とLの物を 一緒に握り込んだ。 「ちょっと……!」 「何ですか?」 「まさか、そのまま動くつもり、か?」 「勿論」 頷きながらLらしく背を丸め、自分の腰をLに押し付ける。 お互いの亀頭が、裏筋が、睾丸が、ゴリゴリと擦れて 電流が走ったようにびくついてしまった。
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