男前Lマニアックお題---「縛り 3」
男前Lマニアックお題---「縛り 3」








洗面所でハンドクリームを取り、戻ってくるとLは萎えていた。
まあ、予想通りだ。
体を冷やす為に、全力で無味乾燥な想像をしたのだろう。


「続きをしようか」

「はぁ……」


相変わらず乗り気でない、マネキンに毛が生えた程度のモノになっているLに
着衣のまま乗り上げる。
そのまま、手にとろりとハンドクリームを出した。


「じゃあ、竜崎が初めて射精したのはいつ?」

「……15の春……です」

「へえ。西洋人ってだいたいその位なの?」

「知りません。夜神くんはいつですか?」

「11歳になった次の日」


別に早ければ良いというものでもないが、何となく優越を感じながら
再びLの性器に触れる。
彼の話が本当なら、オナニーにすら慣れていないようだから
僕が触れば容易く再び勃起するだろう。


「その、精通の時の事を教えてくれよ」


悪趣味だと詰られたら、そういうゲームだろうと答えるつもりだったが
それは読めているのだろう。
Lは反論もせずに醒めた顔のまま口を開いた。


「構いませんが、その次は夜神くんの番ですよ?」

「ああ」

「……その頃、私は探偵として名を馳せて来ていて……
 私の協力で検挙され、死刑が宣告された犯罪者が丁度三桁になりました」


時々言葉が途切れるのは、僕が敏感な場所に触れた時だ。
案の定、軽く陰茎をさするとLは簡単に勃起した。


「こんなに沢山の人間を死に追いやった私は、もし天国や地獄があるのなら
 確実に地獄行きだろうなと落ち込んだりもしていたのですが、」

「へえ。おまえでもそんな風になった事あるんだ?」

「ありますよ。人間ですから。
 ……そんなある晩、夢の中に天使風の人物が出てきて、」


反応が面白くて睾丸も揉むと、Lが少し身を捩って膝を立てる。
顔色は変わらないのは流石だ。


「そんな事はない、あなたは正しい事をしている、悪人は裁かれるべきだと……」

「慰めてくれた?」

「ええ。……それはそれはエロティックに」

「天使が?」

「はい。私が神に代わって正しい行いをしているご褒美だと言って」

「……へえ」


行為の内容は具体的に言わないが、思い出したのだろう。
Lの陰茎は一気にがちがちに硬くなった。


「膨張率……凄いね」

「そうなんですか?夜神くんのも見せて下さい」

「……ああ」


僕も押さえられて苦しかったので、パンツの前を寛げて下着から
そこだけを露出させる。


「なるほど。私に比べれば、普段との差が小さいですね」

「ご立派な物をお持ちで」

「使いも見せもしないので意味ありません」


本気で思っているらしいのが、また癪だ。
天使で妄想している変態の癖に。


「その天使は、何をしてくれたんだ?」

「……舐めてくれたり……入れさせてくれて、自分で腰を振ってくれたり。
 ああ、思い出しました」

「何を?」

「その天使、今思うと夜神くんに似ていました」

「……」


にやりと笑いながら、僕の顔を顎で差す。
本当か嘘か分からないが、堪らなく不快だった。
それを隠す為という訳ではないが、僕も無理に笑顔を作ってみる。


「……だいぶ色っぽい雰囲気になってきたじゃないか」

「そうですね」

「その天使は、僕だったんだと思えよ」

「はい。少し興奮してきました」

「でもその天使が僕だとしたら、僕がキラだというのはおかしいよな?」


肘で軽く膝の内側を押すと、簡単に足を開いた。
もう閉じられないように足の間に体を入れたが、Lは淡々とした様子のまま
話を続ける。


「いいえ。天使風、というだけで天使かどうか不確実ですし、
 やっている事以外にもどこか不道徳な匂いのする人物でした」

「ああ、そう。それで続きは?」

「はい。足の付け根が痛くなって、脳髄が毛穴という毛穴から滲み出るような、
 何とも言えない強烈な快感に、夢から覚めました」

「そうしたら夢精してたんだな?」

「下半身が濡れそぼっていたので、夜尿かと思いましたが
 匂いを嗅いでみてもアンモニア臭はしませんでした。
 別の生臭さが……」

「そんなに出たんだ」

「ええ。驚きました。最初がそれでしたから……ッ」


語尾が揺れたのは、僕が竜崎の後ろに触れて一瞬体が硬くなったから。
構わずハンドクリームを肛門に塗りこんでいると、
やがて諦めたのか括約筋が緩んだ。


「……以来私は自分の手でするよりも、夢精を待った方が
 より強い快感を得られると考えるようになりました」

「……」


なんだ、Lも結構好色なんじゃないか。


「潔癖でしたから、自慰という行為に嫌悪感を抱いていたというのもあります」

「潔癖なのは今もだろ?」


言いながら、中指の先を肛門に潜り込ませる。
案外、簡単に入った。

ぬるぬると、女のように僕の指を受け入れ、女よりずっと締まるその部分。
信じられないが、僕自身も触ってもいないのに完全に勃起している。

おい、男だぞ?
あの、僕を逮捕し、司法に引き渡すと傲然と言い放ったLだぞ?

自分で突っ込むが、肉体は如何ともしがたくその場所に向かいたがっていた。


「それより、その天使が夜神くんなら、入れさせてくれて
 気持ちよくしてくれる筈なんですけどね」

「……なら、僕は逃げさせて貰う」

「冗談です。本気にしないで下さい」


慌てたように言うのに答えず、中指を何度か出し入れする。
具合が良かったので薬指も加えたが、竜崎の中は、ただ熱かった。
発熱しているのではないかと思う程に。


「……夜神くん。私のケーキに感謝して下さい」

「何だって?」

「糖分は便を固める性質があります」

「……へぇ」

「なので私は時々便秘気味です」

「……」

「私の肛門はそういう意味で鍛えられているので、柔軟性がありますよ」

「……最悪だなおまえ」


クソッ!
僕を萎えさせる為に態とこんな物言いをしているのだろうが……
分かっていても、萎えた。

腹立ちまぎれに、人差し指も入れる。
確かに自己申告通り、三本の指を入れてもLは顔色一つ変えず
無表情に耐えていた。


「今度は夜神くんの精通、の……!」


だが、中でそれぞれの指を動かしていると、突然体が硬直した。


「?」


不思議に思って順番に動かしてみると、中指の先を曲げた時に
またびくっと震える。
その様は、まるで死体に電気ショックを与えたようで
顔は能面のままに全身が反応し、特に局部には透明な汁が滲んで来た。


「ここ、気持ち良いんだ?」

「……っ!」


小指が触れている、尻の肉がしっとりと汗ばんで来るのに、
僕もまた興奮して、熱が戻ってくる。


「脊髄反射に、近いです。前立腺、と、いうやつですかね、」

「だね」

「でも夜神くん。答えなければ、夜神くんの負けですね?」

「ああ、答えるよ。僕の精通はさっき言ったように十一歳になった時。
 僕も最初は夢精だった」

「は、い……」

「自分が並外れて優秀だという事も分かってきて、
 回りの大人からも期待され、何をするにも『良い子の見本』を求められて」

「夜神くんの、年の割りに、異常に……ソツのない言動は
 その頃から、始まっていたのですね……」

「そうだね」


話をしながらも、指先に神経を集中する。
小刻みに揺らしていると、それに合わせて腰が波打つ。


「その日も、誕生日に『もう大人だね』みたいな事を言われて、
 僕の中で何かが切れたような気がする」

「……っつ、」

「で、ベッドに入ると……本当に久しぶりに、仮面ライダーの夢を見たんだ。
 仮面ライダー知ってる?」

「日本の、子ども向け、特殊撮影作、」

「そうそう。子ども向けだ。多分反動だろうね。
 夢の中で僕は何故か、ライダーではなく敵の怪人の役で、」


Lはもう何度も腰を浮かせ、びくん、と跳ねている。
その度に、もう一押しすればきっと達くんだろうな、と思いながら
指を止めてきた。
そしてこっそり、自分のペニスにはハンドクリームを塗る。


「ライダーを捕らえて、大の字に寝かせて手足をそれぞれ拘束した。
 ……こんな風に」


Lの上に伸び、手首の手錠に触れる。
まっすぐにLの顔を見つめ、その視線を捉えた後、不意に肛門の指を抜いて
太腿を抱え、即自分をねじ込んだ。


「……!」


体は反応したが顔は相変わらずで、僅かに目を見開いただけだったのは
さすがと言うべきか。
竜崎の中は狭く、自分の方が「あ、」と小さく息を吐いてしまった。


「……入れるなら、『入れる』と、」

「柔軟性があるから大丈夫だろ?」

「……」


少しづつ、押し込んでいく。
と言うか、特に意図しなくとも体を支えていた太腿の力を抜くと
僕は勝手にLの中に沈んで行った。

Lの中、に、沈む。

溺れる……。

さっきLが言っていた、「足の付け根が痛くなる」という感覚が分かる。
狭く、熱く、びくびくと僕を締め付ける肉。
射精の予感に、体中の血液が逆流するようなゾクゾクが、


「……怪人である僕は、正義の味方の、ライダーを拷問するんだけど、」


睾丸が、ひんやりとした尻の肉に当たって身震いする。
全て収まったようだが、Lの勃起はまだ僕の腹に当たっていた。
本当に大したものだ。


「ライダーを苛めていると、何故かだんだん興奮してきて、」


ぬるぬると、僕の腹に当たる陰茎。
少し抜くと、引きとめようとするように絡みつく肉。


「どんどん、エスカレート、していくんだ、暴力が、」


そうか……当時は何故それが射精に繋がるのか全く分からなかったが、
こういう事か……。
何か腑に落ちるような心持で、抜き差しを繰り返す。
その度にLもびくんびくんと震えたが、もう構ってなんかいられなかった。


「仮面を、被っているから、表情が変わらない、
 正義の、味方だから、絶対に、命乞いなんかしない、」


そう。僕の暴力に、ただ体だけを苦しげに捻る正義の味方を、
引き裂いてやりたいと確かに夢の中で幼い僕は思った。


「……、んっ、気持ち、良いか?L、」

「……っ……」

「答えろよ、ゲーム、だろ?」

「……気持ち、……」

「L!」

「……気持ち、イイに決まってるでしょう!」


仮面が……剥がれる。


「見て、分かりませんか?本当は、童貞なんですか?
 夜神くん、もっと早く動いて下さい、」


余裕なさげな早口に、
LをLたらしめている何かが、一息に崩れて行く様が見えるようだった。


「ああ、そこを……、そこ……、そうです、……あっ……ん!」


崩壊した不落城。

僕が暴発を耐えて腰を動かし続けていると、Lは不意に腰を持ち上げて、
はしたない程の精を放った。

胸の辺りに散る粘液。
どろりと流れて、色の悪い乳首をかすめて腋に流れ落ちていく。
それを見ながらぐい、とひときわ深く押し入ると、僕もLの中で爆発する。

抜こうとすると、強い締め付けに搾り取られて射精感が長く続いた。

萎えるまで、惜しむように何度も抜き差しして、
僕は遂にLの隣に倒れこんだ。






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「頂き物」にも展示させていただいております。


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