トライアングル・トライアル おかわり








マジですかマジですかマジですか・・・・・・。


たった数日前、同じ事を思った。
思いながら、抱かれた。

怖い。

あの時は、今と違って先が見えなかったから恐ろしかったけど、
今は、この後どうなるのか予想つくだけに沸き上がる恐怖だ。


「キミは・・・ボクのものだよ・・・。」


プラス、相手が塔矢だという恐ろしさ。
やっとの事で声を出す。


「って、勝手に決めんなよ、やだよそんなの、」

「悪いけど。」

「じゃねーっての。オレそっちの趣味ねーっての!」

「社と寝ておいて、今更ボクとは出来ないなんて言わせないよ。」

「お、おまえもホモなわけ?」

「違うよ。欲情するのはキミだけだし。」


・・・っよくじょーって!いーーやあーー!余計きしょいー!
変態オブ変態だ!
しかも隣に社いるっての!

半泣きになってるオレに構わず、だんだん手を下にずらしてくる。
ここは本気で逃げようと思ったけど、その一瞬前にぎゅっと掴まれて、身動きできなくなった。


「やめやめやめて・・・。やだって。」


きゅうきゅう握られても、萎えるばかりで全然硬くならないのに
塔矢は舌打ちすると、ぐいっとパンツとトランクスを引きずり下ろして脱がせた。

って!
足首掴むなって!な、な、マジかよ?いやマジだよな?

足の間に腰を入れて、必死で開かせようとする塔矢。
膝に力を入れて、意地でも開かせないオレ。

でも、そうやってしばらく攻防が続くと、やっぱ閉じるより開かせる方が楽なんだろうな、
だんだん内股の筋肉が疲れてきて、少しづつ、少しづつ、塔矢の腰がオレの股に
近づいてくる。

って、思いっきり浴衣の前がはだけて・・・パンツぐらい穿けよおまえ!

と、ふっ、と力が抜けた一瞬、ぐいっ、と入り込んできて太股を抱えられた。


「塔、矢・・・?」


オレのモノから離した手を自分のに添えて、尻の割れ目を何度も往復させる。
あったかくて気持ちい・・・いや、気持ち悪・・・じょ、冗談、だろ?
場所が分からなかったらしく、その内焦れて指でまさぐり始めた。

塔矢のー!指がー!オレのケツの穴にーー!!!


「待て!待て待て!塔矢、ちょっと待て!」

「待たない。」


指の先を少し潜り込ませて場所を確認した後、いきなり太いものを押しつけてきた。


「無理!無理無理無理・・・!」


チッ。
また舌打ち。
だってマジ無理だもん!いきなり入らないもん!

でもそれで諦めたと思ったのに。
塔矢は、袂の中から小さなビンを取り出した。


「なに、それ・・・。」

「潤滑剤。というかベビーローションだけれど大丈夫だろう。」


いや、大丈夫とかそんなんじゃなくて。
ひやっ!つめてー!

押し当てられたままのケツの穴にぬるぬるしたものが塗られて、僅かに出し入れされると
信じられないくらいつるって入って来そうなんだこれがまた。


「だめ、塔矢・・・。」


にりにり、にりにり、少しづつ入り込んでくる。


「力抜いて。痛い。」


いいいいてーのはこっちだっての!


「痛い!本気で痛い塔矢、やめて!」

「昨日社としたんだろ?」


だから、それは違う!オレの覚悟が違う!やり方が違う!何もかも違う!


「マジ無理!切れる!ギブ!」


その時、すぽ、と。
嫌な感覚があった。
多分、先っちょが全部入っちゃったんだ。


「っっってえーーーー!」

「静かにしろ、進藤!痛いのはキミだけじゃない!」

「っ助けてっ!誰か、やし、社!助けて!痛いーーっ!」


正直、社の事は半分忘れていたというか、「いま目の前の危機」から逃れる事に精一杯で
隣の部屋に対して恥ずかしがるとか助けを求めるとか、そういう事思い付かなかった。
でも、よく考えたらアイツは結構、いや塔矢に比べたら、うんとノーマルじゃん。


「社!助けて!」

「・・・・・・。」


塔矢が、黙って口を塞ぐ。


「むーー!む〜〜!」


頼む、社、来て・・・!





すー・・・。


その時、隣との境の襖が、静かに開いた。


「・・・何やねん。眠いねんけど。」


たぁ・・・すかったぁ!!
社、社、正義の味方に見えるよ!なんて頼り甲斐ありそうなんだおまえ!


「社、痛い、助けて!」

「ああ、寝てていいよ。」

「・・・っちゅうてもおまえ、進藤泣いとるで?」


そう、オレはもう、痛さと悔しさと混乱で、涙はぽろぽろ流れるわ鼻水は出るわ。
顔中べとべとな状態だ。


「何無茶しとんねん。」


社が呆れたように言って部屋に入って来ると、塔矢はすっ、と腰を引いてくれた。
カリが抜けるのがまた痛い。抜かれた所がまた痛い。
でもオレは、開放されると共に慌てて這いずって社の元に向かった。

しがみつこうとしたらすかさず箱ティッシュを差し出されたので、そのまま社の背後に隠れて
ずびーっ!と鼻をかむ。
まだ尻はじんじんしていたが、取り敢えず危機を脱した安心感でまた涙が流れた。


「無理矢理はあかんやろ。」

「キミが口を出す事じゃないよ。どうせ明日には大阪に帰るんだ。」


社・・・!オレを大阪に連れてって!


「そやけど、セックスって自分だけが気持ち良かったらええっちゅうもんちゃうやろ?」


そうだそうだ!アンタ、ええ事言うた!
着いて行きます社はん、だから塔矢から助けて。

会話が途切れる。
オレを背後にかばった社と、塔矢が睨み合う気配だけがして空気が痛い。

でもやがて・・・。


「・・・そんな事言ったって。」


俯いているのか、僅かにくぐもった声。


「ボクは初めてで・・・やり方なんて知らないし。
 ただ・・・ただ、進藤が好きで・・・一つになりたいって・・・。」


そして湿った声。


「塔矢・・・。」


・・・やしろおーー!騙されんな!それぜっっったいウソ泣きだから!
塔矢はそんな殊勝なヤツじゃねーってんだよ!


「進藤・・・ちょい、後ろ向いてみ?」

「?」


オレが尻を向けると、社はケツの穴に指で軽く触れて


「血ぃは出てへんな・・・。」


と呟いた。


「進藤、布団戻り。オレが気持ちようさしたるから。」


・・・なぁ、社。まさか、まさか・・・。






布団の上で足を開かせたオレの、尻にローションをたっぷり塗って
社が指を差し込んできた。
もう痛みは引いて中であちらこちらをさすられたり抜き差しされると
微妙な気分になってくる。


「やだ・・・。」


何か、悦くてイヤになる。
そこは入れる場所じゃない、と叫ぶ理性。
そして僅かに反抗する、快楽に弱くて面倒くさがりなオレの本能。
二つに裂かれて争って、苦しいんだけど
時間が経つにつれそれがだんだんいい勝負になって来る。

一旦指を抜かれて今度は二本押しつけられた時、思わず足に力が入ったけど
前を銜えられて「あ、」と思わず声を出してしまった。
カタン、と音を立てて本能の方に、一気に傾く、そしてそれは、

・・・我ながらエロい声だった。



と、ふと目を開けると・・・社の後ろにいる塔矢の視線が。
ぎゃあ。
一旦下がった理性が戻ってきて顔から血の気が引く。
やだやだ、恥ずかしい、てか無表情だけど何か目が血走ってるし!

フェラされて、ケツに指を入れられて、やらしい声出してるとこなんて、
絶対他人には見られたくなかった。
特に塔矢には。
恨むぜ社。


でも・・・。


・・・やっぱ基本的に、オレって気持ちイイ事に忠実に出来てんだよな〜。
最早男だからどうってのもないし、塔矢に見られている緊張とか恥ずかしさが
下半身の快楽にどんどん溶かされていって。


「あん、」

「自分・・・ホンマ可愛い声で鳴くなぁ。」

「・・・なぁ、社、」


男なのに可愛いなんて言われるのは嬉しくないんだけど
でもやっぱり忘れられない


「来て・・・。」


昨夜の、快楽。
ただ射精するだけじゃなくて。

挿れて。満たして。

あー、またヤバい。
ケツの味覚えちゃったっての?
何か社とは、ただ指だけじゃ詰まらない。


「来いよ・・・なぁ・・・。」


オレがせがんで腰を振るっても、ただ中で暴れ回る二本の指と亀頭に絡みつく熱い舌。
それも、いんだけどさ・・・。

我慢出来ない。
全身これ性器。

汗が鼻の下でつぶになる。
その瞬間を求めて、全身の毛穴が開く。
ちょっと涼しく感じる。


「あ・・・。」


一旦モノから口が離れて、鼻息が当たったときイク、と思った。
でも社はオレの根元をぎゅっと掴んで、


「・・・これくらい丁寧に慣らしといたら大丈夫やろ。」


え・・・。誰に、言ってんの・・・?


「自分準備・・・はええみたいやな、早よゴムつけや。」


・・・やだ。いやだ。
と思っても社が中の指を曲げるから腰が持ち上がり、下に枕を差し込まれる。
抵抗できない。カラダがもう操り人形になってる。

その時、浴衣をはだけて胡座をかき、俯いて股間で作業をしている塔矢の黒い髪の間から
白い耳が見えた。
こんな時にも背筋を伸ばしているのがコイツらしくてちょっと笑える。

・・・けど。


「やだよ・・・社・・・。」

「なんで?」


何でって!
だって、塔矢なんかやだよ。好きじゃないし。
ってったら社は好きみたいだけど、そうじゃなくて、そんなんじゃなくて、

塔矢はライバル。

社がライバルじゃない訳じゃないんだけど、塔矢は特別なんだ。
小学校の時から知っていて、絶対いつか負かしてやるって思って来たんだ。
そんな奴にされたくなんか・・・


「あぅ!」

「気持ちええ?」

「う、ん・・・もち、いい・・・。」

「欲しい?」

「欲し・・・。」


って塔矢のか〜!それはちょっと困るな。
でも社は自分がオレにしてくれる気は全くないらしい。

と、穴から指が抜かれて、少し冷ための手がオレのモノを掴んで扱き始めた。
塔・・・!




塔矢が、社と交代してオレのを扱き始めた。
忙しく手を動かしながら上半身をぬるりと足の間から現す。


「・・・・・・。」

「進藤。」


真剣な目をして、オレの真上まで来て見下ろす。
髪が全部顔の前に垂れてて変な顔。


「欲しい?」

「・・・・・・。」


社ならともかく、おまえがンな事言うなー!きもいから!
精一杯睨む。
けど白い顔をした塔矢とは逆に、オレは汗かいててはぁはぁ言ってて
これが喧嘩なら完全に負けてる感じ。

塔矢がオレの顔の横に手をつく。
掌をゆっくりと上の方に滑らせて降りてきて、今度は肘。

唇狙われてるのかと思って顔を逸らしたけど、のしかかってきた塔矢は
意外にも注意深くオレの身体に触れないようにしていた。


「進藤・・・。」


顔近いって。ぎゅっと目を瞑る。
熱い息と、髪の先だけが顎や胸にあたってくすぐったい。
あと、尻に指・・・そして、

どくん。

太いものが押しつけられる。
わー、これが塔矢のかよ、やっぱあったんだな、ってか、まさか触る日が来るとはな、
いや、触られてんのかソレに。

とか考えただけで自分のがびくっと震えるのが恥ずかしい。
塔矢がニヤリと笑っているんじゃないかと思うと目が開けられない。

押しつけたまま、またオレのを扱き始める。
そこ以外は、相変わらず顔に毛先が触れているだけだけれど、
体温はほとんど体を重ねているように伝わってくる。

不味い・・・。
このままヤられると思った。

突っ込まれる。社に助けを求めてももう無駄。
ここまで来たら、塔矢があと少し腰を前に突き出すだけで出来てしまう。



ところが、覚悟を決めて待っても塔矢は動かなかった。
そして


「進藤・・・ボクが、欲しい?」


だから欲しくねってーーー!

・・・と、既に言えない自分に愕然とした。
塔矢が焦らすようにつんつんと尻の穴をつついて、オレの傘の部分をそうっと指でなぞる。


「んっ!」


もう、あとちょっとの微かな刺激だけでイッちゃいそうなんだけど
イけないのが辛い。


「ねぇ。入れてって言って。」


ハズいけど・・・正直、言いたい気分。
塔矢でも何でもいいから、入れて、出して、出させて欲しい。


「奥までボクが欲しいと言って。」


奥までは別にいい。
つか何のエロビデオですか。


「ボクを愛していると言って。」


・・・言いません絶対!
ウソついたら舌を抜かれるって昔かーさんに聞いたし!






「おい、あんまり焦らしたんなや。」


おっとー!また社の存在忘れてた!


「あんまり放っとくと萎えるで?」

「うん。」


またローションを垂らして手を動かし始める。
あー、ヤバいって!頼むからやめるかイかせるかどっちかにして。


「でも、進藤からボクを欲しがって欲しいんだ。」

「さっ・・・きは、滅茶苦茶に、突っ込んで来た、くせに、あ、」

「それで嫌がられたからね。社の手を借りてまで拒まれたらボクの立つ瀬がない。」


おまえのタツセなんて知らん!!

けど、弄られながらつんつんされると、いやだ、勝手にケツの穴がひくひくする。
このまま我慢してても塔矢はやめてくれそうにないし、つか正直・・・やめて欲しくないし。


「塔矢・・・。」

「うん?」

「・・・・・・。」

「何。」


・・・分かってるくせにー!勘弁してくれないかな、このサド野郎は。


「い・・・れて。」

「何を。」

「おまえの・・・を。」

「へぇ、いいの?」


その時、堪忍袋の緒が切れるように、残っていた理性の最後の欠片がふっとんだ。

なんで・・・、
なんでコイツこんなに性格悪いんだ?!
そんで何でこんな奴とこんな事になって、しかも自分から入れてくれなんて言ってんだよオレ!
つかよく考えたら塔矢だぜ?
「許さない」とかデカい態度で言ってくるアイツだぜ?
ああそうか、だから性格悪くて当然か・・・・・・、


「・・・あのなぁ。」

「うん。」

「い、・・・」

「・・・・・・。」


深呼吸。
なんかもう、ムカついて気持ちよくてじれったくて、上手くしゃべれない。


「入れろぉーっ!」

「しん、」

「入れやがれっつてんだよ!」


がしっ!と腰を足で挟んで、引き寄せる。
待ってちょっと待って折れる、なんて言ってるのに構わずカニ挟んで捻ってみたりして。


「ああっ!」


とかってやってる内にツルッと入ってきた!
ってーーー!
しまった、指抜かれてからちょっと時間経ってた、
穴の筋肉がまた締まっちゃったのか、最初程じゃないけど痛てえ!


「入れるよ?」


つかもう入ってるし、今度はこっちがちょっと待って下さい、と思ったけど
もう塔矢が止まるはずもない。
あっという間に距離を縮めて抱きしめられて、腰を抱えられてズコバコズコバコ・・・
ってぇとケダモノみたいなんだけど、うん、みたいというよりは間違いなくケダモノだコイツ。

でもそれに応えて「あッあッあッあッ」って喘いでるオレももう変態。
だって、もう、ずっと焦らされて爆発寸前だったんだもん、
その状態で出し入れされると凄くイイところがあって、あ、ダメ、もう、イクッ・・・





射精してる間もガンガン掘られて痛いぐらいだったけど
しばらくして塔矢も動かなくなった。


「・・・何点?」


ぐったりしたオレの腹や尻をティッシュで拭いて、腰の下の枕を取ってくれた塔矢が
ぼそりと言う。


「70・・・。初めてにしては上出来。」

「ふ・・・ん。からいな。」

「最初から自分でやっとったら80点。」


ってー。ナニ分析してんだよ。オレ死にそうだってのに。
聞こえてないと思ってんの?


「で。これからどうするん?」

「どうするって。どうもしないよ。」

「あれ?おまえ進藤の事好きちごたん?付き合うたりせーへんの?」

「ああ。それはもう、だって進藤はボクのものだし。」


はあああああっ!
だから何でそうなる!


「・・・って、おまえ。告白とかしてへんやろ?」


ないないない!ってかされても断る!


「さっき、言ったじゃないか。」

「あれ・・・オレに答えたヤツ?ってあれで済ますんかいな、横着やな。」

「いいんだよ。」

「それに・・・進藤も返事してへんと思うんやけど・・・。」

「うん。それも別にいい。」

「・・・・・・。」


何者・・・。
社ももうまともな会話を諦めたらしく、それ以上何も言わなかった。

ってダメじゃん!そこもっと突っ込んで!
それ完全にストーカーの理屈だって教えてあげて!




付き合うとか付き合わない以前に、オレ、こんな変なヤツと同じ職場で
働いてく自信ない・・・。

コイツが塔矢アキラじゃなかったら、碁の腕がなければ、何も悩まずに
社についてって大阪引っ越しちゃうのにな。


困った。
強引な塔矢に困った。
そんな塔矢にされて感じちゃった自分に困った。


あー、コイツと二人きりになるの、怖すぎる。
社、頼むから大阪帰らないでくれー!






−了−






※オチに困ったのは私。







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