ジャンクフード4
ジャンクフード4










進藤はボクが一緒にアダルトビデオを見たり出来る唯一の友人だ。
というか、強引に見せてくる。

他にそういう人も機会もないし、興味がないでもないが
興奮してきた進藤は必ず同じ事をしようとするし、しかも勝手に女性役を
割り振ってくるので、非常に難儀する。

だって必ずビデオの中の女性は男性に、まあ色々奉仕するし
遅かれ早かれ最終的には、入れるわけだ。




進藤がボクの首や胸を、ぺろぺろと舐める。
そこら中を掌で撫で回す。
舐めるという事を最初進藤が始めたときは汚い感じがして嫌だったが、慣れてしまった。

それから色々な事があって、ビデオ通りに行くならボクが足を開いて
もう我慢できないから入れてくれだの言うことになるんだろうが、
勿論ゴメンだ。

そこで、今度は交代してボクが進藤の体を舐めたりする。



自分がされて気持ちよかったことや、して欲しいことを相手にするのは
既にボク達の間の不文律のようになっていた。

いちいちソコが良いだの、口にするのはやはり照れるし、
自分に出来ないことを相手に要求する訳には行かないと言うわけだ。
非常にお互いの気持ちが分かる方法ではある。

獣のように舐め合い、噛み合い、絡み合う。
荒い息でかわす、言葉のない会話。


そう言えば碁も言葉のない会話に似ていて、
進藤といる時間の大半は碁を打っているわけで。(いつも裸でいるわけじゃない。)

ボクたちは一緒にいる時間の長さにしては、ふつうの会話が少ないように思う。

そう言うわけで、交代で男役をしながら舐めあったり(勿論上半身だけだ)
最終的にはお互いのモノに手を添えたり擦り合わせたりしてイく、
ということがしばらく続いていて、ボクはそれで満足していたのだが。





ある日進藤はその均衡を破った。ボクの下半身にその舌を伸ばしたのだ。

シャワーを浴びたボクをベッドに押し倒し、片足を持ち上げ、
いきなり足の親指を口に含む。


「な、」


引っ込めようとする足を両手で抱え、親指と人差し指の股に舌を這わせる。


「やめろよ。」

「あー。オマエ、ここ感じるんだ。」


いかにも、ボクのモノはピクリとして立ち上がりかけで。
でも


「汚いだろ。」

「オマエ丁寧に洗ってるんだなぁ。まだちょっと石鹸の匂いがする。」


馬耳東風?
というかボクにもキミの足を舐めろと言うんだろうか。
進藤の舌は次々と指の股を征服して行き、その度にボクは身悶えた。

もう大概の性感帯と言われるような場所はお互い知り尽くしていたつもりだが、
普段何も触れない敏感な場所を刺激されて、ボクは今までないような
むずがゆい快感に苛まれた。



やっと進藤の舌が足先を離れ、くるぶしなどの上を這い回り始め、ボクは一息つく。
と思ったら、顔が、上がって来た。


「おいおい。」

「ここ、すごくすべすべしてる。」


足を開けて内股に頬を擦りつけて感触を楽しんだ後、また舌を這わせる。
その度にボクは背を仰け反らせ、進藤を喜ばせていると思うがどうしようもない。

キミは。まさか。

程なく舌は足の付け根まで上がってきて・・・。

・・・いつまでも足の付け根を舐めていた。

勿論頬が当たる。
ボクのモノはすっかり立ち上がっていて、分かっているだろうに、焦らすように足の付け根を舐め続ける。
いや、焦らすと言うよりは、踏ん切りがつかないのかも知れない。


でもそこまで来たら、舐めろよ!


じりじりとした憔悴。はぐらかされる快感。

進藤が「あ。口に毛が。」と顔を離した隙に、
ボクは起きあがって進藤を押し倒し返していた。


何故かすっかり立ち上がった進藤のモノに顔を近づけるとさすがに躊躇いがあったが、
すぐにさっきの進藤の煮え切らない態度を反面教師に思いだし、一気に裏の筋を舐め上げた。


「ふわあっ!」


跳ね上がりそうになる進藤の腰を押さえつけ、何度も舐める。
だんだん抵抗が無くなっていくのが我ながら嫌だったが、この際仕方がない。

自分がして欲しいことをするのが、ボク達のルールなのだから。

目をつぶって、唇を寄せる。
お父さん。お母さん。
男に生まれながら男のモノを口にしてしまう不孝をお許し下さい。

ぱくりと口に含み、舌を付けながら顔を上下してみる。
見よう見まねだが、ビデオの女優さんは確かこんな風にしていた。
どうなんだろう。
でもこれでいいはず・・・、

と思うやいなや。


「あああっ!」


進藤が震える。


「!」


口の中に嫌な感触がして、ベッ、と進藤の腹に白いモノを吐き出す。
がその拍子にまた進藤の先から飛び出した飛沫がピッ!と頬や目のあたりにかかる。


「痛っ・・・!」


片目をつぶったまま全裸で洗面所に、駆けた。




・・・・・・・


「おい!何を考えているんだキミは!」

「ご、ごめん!」

「いきなり出す奴があるか!イくならイくと言え!」

「ごめんて!わざとじゃないんだって。」


部屋に戻ると進藤が満足そうに後始末をしていたので、余計に腹が立った。
だが勿論怒鳴ったくらいでは済まさない。

ベッドに横たわって肘を突き、足を開く。

自分がされて気持ちよかったことを相手にするのは、ボク達のルールなのだから。

進藤はかなり嫌々ながら、顔を近づけてきた。


「キミの口にも出してやる。」

「それだけは勘弁してよ〜。」


と言いながら、恐る恐るといった感じで舌先でちろり、と触れる。
ボクが息を呑んだのを見て、決心したように本格的に舐め始めた。

目をつぶってぺろりぺろりと。
子どもがソフトクリームを舐めるように一心不乱に。


「・・・キミ、上手くないか?」

「んなわけないだろ、ってかそれって褒めてる?」

「うん。」

「・・・全然嬉しくない。」


碁では、あまり褒めたことがない。
いい手を打ってもどうしても悪手の方が目に付いてしまうのでつい、
「ここは良いけどその後のこの手が」的な言い方になってしまうのだ。
こんな風にただ褒めたのは初めてかも知れない。

進藤も憎まれ口を叩きながらも内心気をよくしたのか、唇で含み始める。
頭と一緒に、舌を動かす。
だんだんに、ボクも。


「・・・進藤。そろそろ。」

「・・・ん・・・。」


ボクは進藤みたいに礼儀知らずでも我慢知らずでもないので、イく前にはちゃんと言う。
ちゃんと・・・。


「・・・イクッ・・・!」

「う!」


ボクは進藤の頭を押さえていた・・・。

進藤がバタバタともがくので手を離すと、進藤は起きあがってボクの目を見、
文句を言おうとしたのだろう、口を開く前にツバを飲み込み・・・。


「!・・・・・・飲ん・・・じゃった・・・・。」


「ゲー」という顔をして舌を出す。
キミ、ホントにバカだろう。



さっきのボクのようにバタバタと洗面所に駆けていって、ひとしきりバシャバシャ音をさせた後
またバタバタと帰ってくる。


「塔矢のばかー!!」

「って。」

「ばかばかばかっ!ホントに出すなんて!」


確かにボクも悪いが、飲んだのはキミの不注意だろう。
バカにばかと言われてもな。


「すまない。わざとじゃないんだ。」


ポカポカと殴りかかってくるのをガードするために顔の前で腕をクロスしたら、それを掴まれた。
そのまま倒されて、頭の上で押さえつけられる。


「オマエにもお裾分けだぁ!」


訳の分からない事を言って、乱暴に唇を押しつけてくる。
ひんやりとした舌を入れられる。

進藤の唾液は、水の味がした。


「・・・ねえ。もしかしてボクたちがキスしたのって、これが2回目か?」

「『オレから』したのは初めて。」


ニッと笑う進藤に、顔が熱くなる。
最初の事を言っているんだろうが、だからボクは覚えてないんだって。

また進藤が唇を重ねてくる。
ひとしきりボクの舌や口内を舐めた後、


「キスって気持ちよくね?」


ん〜、特に気持ち良いとは思わない。
大体唇や口の中が気持ちよかったら、物を食べる度に大変だろう。
何故世の男女がキスしたがるのか分からない。


「・・・多分メンタルなものじゃないかな。そこに愛情があれば気持ちいいんだろう。」

「えー、何。じゃあオレには愛情があって、オマエにはないっての?」

「ボクはキミの碁は、愛しているよ。」


何にせよ、愛している、という言葉を口に出したのは生まれて初めてだった。
でも、恥ずかしくなかった。
だってそれは事実だから。


「じゃあオマエは碁盤でも思い浮かべてしろよ。
 オレはきれーなお姉さんでも想像しとくから。」


・・・デリカシーのない男だな。
と思いながらまた唇を貪られた。






例によって少し空腹を感じる頃合だ。


「そろそろカップ麺でも食べようか。」

「オレ、いい。ちょっと食欲無い。」

「ボクのでお腹が膨れた?」

「・・・バカッッッッッ!」


結局進藤は自分の分も作って来る。


「後で一局打とうか。碁の方。」

「うん。でもその前に今回は検討しよう。」

「?」

「口でして貰うのってすんげー気持ちいいよな?」

「ああ?」

「でも、口に出されるのは嫌だよな。」

「嫌すぎるね。」

「でも、どうしてもその、前にちょっとは漏れるし、イく時も口を離すタイミングが難しいよな・・・。」

「そうだな。」

「かといって早めに離れて後は手で、ってのも、なんかこう。」

「でも仕方ないんじゃないか?次回からその方式で行くしか。」

「ん〜・・・なんか他に方法ない?」


方法と言っても。
拳を口に当てて、一生懸命頭を絞ってみる。
何か自分で上手くコントロール出来る方法・・・いや、コントロールは出来なくはないが・・・。

・・・コントロール?そうか!


「・・・・・・・コンドーム・・・。」

「って、ゴム?」

「うん。あれって凄く薄いらしいし、中身は漏れないだろう?
 アレ越しにくわえたらどうだろう。」

「わーオマエ凄い!さすが海王!今度買ってくるよ!」


その金でもうちょっと別の種類の高めのカップ麺を買ってくれないか、
と思ったが言わずにおいた。








−了−






※もうこの二人には恋愛は期待しないで下さい。ってか・・・スミマセン、ほんま。特にアキラファンの方。










SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送