LOVE ME TENDER 8
LOVE ME TENDER 8








私は思わず、爪を噛む。


「どうしてこんな事になったのか……」

「本当にな」


本当に。
私は夜神を愛した訳でも、セックスしたかった訳でもないのだ。
ただ、魅上が……。


その時、ばさばさと音がして室内の空気の密度が上がった。


「今度は何ですか……」


それは、久しぶりに見る白い死神、レムだった。


「あなたでしたか。お久しぶりです」

『ああ……私は死神界から、ずっとおまえたちを見ていたがな……』

「それはどうも」

『ライト。話を聞いたが、今が、引き際という物ではないのか?』


死神はいきなり夜神に顔を向け、静かに言った。


「……そうかも知れない」

「まあ、今引かなければ何かと困りますよね。お互いに」

「……」

「私はあなたを司法の手に引き渡す事になりますし」

「と言う事は、今引けばそうしない……のか」

「……」


思わず考え込んでしまったが、本当は考えるまでもない。
先程から自らの口でそう言っている。


『ならば、デスノートを返して貰おう』

「あ、あなたにですか?」

『ああ。魅上が持っている物も、捜査本部にある物も、だ』

「それは、困ります。もっと調べてみたいんですが……」

『もう十分だろう』


夜神は大きく息を吐くと、「分かった」と呟いた。


『では、貰って行くぞ。
 おまえが所有したまま持って行くが、記憶を捨てたくなったらいつでも
 デスノートを捨てる、と言えば良い』

「記憶は、捨てないよ」

『そうか……』


それから死神は、何の感慨もなさげに私達をちらりと見て
戸外へ消えていった。


「これで地上に殺人ノートはなくなると見て良いですね?」

「だね」

「となると後は、あなたと弥、魅上の処分ですが、
 弥は諸事情あって逮捕出来ません」

「そう」

「あなたと魅上も、証拠であるデスノートがない以上、公的に裁くのは難しい。
 CIAかインターポールに頼んで非公式に処分して貰うしか」

「……」

「とは言っても、あなたとの約束もありますしね……」

「……」


夜神は酷く疲れた様子でベッドの上によじ登り、横たわって身体を丸めた。


「キラを辞めると……何だか疲れた……。
 難しい話は明日にしないか?」

「夜神くん」

「今日は、もう寝る」

「夜神くん……」


この状況で、「寝る」って。
どういう事だ。


私が助走をつけてベッドに飛び乗ると、その勢いで夜神の身体が跳ね上がった。
夜神は憤怒の表情で睨み付けて来たが、すぐに大笑いしながら立ち上がり、
疲れたと言っていた癖に負けじとジャンプし始める。

それから私達は子どものように、ベッドをトランポリンにして
ただひたすらマットレスの上で跳ねていた。


高田や魅上との対決の事は、明日考えれば良いだろう。

今はただ、この再会を喜ぼう。

この幼い「妻」と、心ゆくまで遊ぼう。


人生で初めて、私は自らワタリの洗脳を受け容れた。





--了--





※46000打を踏んで下さいました、いくさんに捧げます。
 リクエスト内容は、



  題して、「三角関係」!!カップリングは、L(攻)・月(受)・魅上(攻)!!!

  設定ですが、諸般の事情(…)により、Lもワタリも死んだフリだけで、
  実は生きていて、捜査の進展を陰から見守っていた…という感じでお願いします。
  (そうしないと魅上氏出てこれないし…汗)

  それと、性格面は、LはいつものキスケさんのLならもうなんでも
  オッケーwwなんですが笑 
  強いて言うなら、武士道ロマンスの「妙な処で律儀」なLが嬉しいかも〜。
  で、魅上氏は糞がつく真面目君。
  (ただし、原作のマッドっぽい部分は削除!…コワすぎるので)

  最後に月ですが、これは映画「アメリカンビューティー」のアンジェラみたいな、
  いかにもヤりまくりみたいにみえたくせに、実は処女〜〜〜、という設定で希望w
  (さらに言うと、総一朗氏が、婚前交渉は断じて認めない考えの持ち主で、月がそうなったのも、父親の影響、
  とかいう伏線があると尚うれしいwww)

  …ま、要するに、絶対に魅上と(もしくはLと)デキていると思っていたのに、
  いざ手を出そうとしてみたら未使用で、Lが(もしくは魅上が)
  ぎょっとした挙句…云々、というような展開が希望です。
  ただし、三すくみのままで終わらせず、ラストは「え…そ、それが決め手?」
  というようなすげぇくだらない理由でどちらかと落ち着くといいなーーーと
  思っとります(笑)


  でした。
  最終的にLとまとめるか魅上とまとめるか、迷っていた割に
  L濃度が高くなってしまいました。
  魅上もこの後黙ってなさそうですけどね!

  出来れば両想い、みたいな事を仰っていたのでそれっぽくしようとしたのですが
  彼等の場合一人称では難しいですね。

  分かりにくいですが、手錠時代、ベッドの上で「若者らしい馬鹿話」をしていた
  辺りから、Lにとって月は、特別な存在になっています。

  月にとっては、吊り橋効果+初めての相手になるのならそらもう結婚、
  という感じで、条件反射的にLに惹かれています。アホ月です。

  両方、んなもん解説せんと分からんわ!な心情で申し訳なし。

  こんな感じで良かったでしょうか。
  楽しいリクありがとうございました!






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