087:コヨーテ
087:コヨーテ






こんな夢を見た。









「はっはっは!おい、塔矢、あと2発になったぜ。」


   パーン!・・・・ピシッ!


「そうか。よくこれまで持ったな。」


   パン・パン!・・・ビシ・ビシッ。


開いた窓から打ち込まれた銃弾が、反対側の壁に当たって砕ける。
ボク達は窓の下にしゃがんでただ弾を避けている。



進藤とボクは追われていた。
廃屋のような古い建物に籠城して、銃撃戦になった。
ボクもピストルで沢山の人を殺したが、
進藤はそれ以上に殺していた。


「ああ。お前が居てくれたおかげだ。」

「そんなこともないだろう。」


ボクは撃つのが下手くそなのに、先に弾がなくなった。
それから先、2人分戦ってくれたのは進藤だ。


「いや、一人だったらとっくに投げてるよ。」

「その方が良かったのかも。」


半分本心で、半分嘘だった。
自由になったら何する、なんてのんきに語り合いながら
逃げ切れるはずなんてないと、何処かで分かっていた。
それでも一瞬でも長く一緒にいたかった。


   パーンッ!
   パンッ!・・・ビシッ!


最後の瞬間まで二人でいたかった。


   パンパンッ・・・・パーンッ!
   ピシッ!ビシッ!


残り2発。
ということは事実上敵に反撃できる弾は、ゼロだ。


「んなこと言うなよ。」

「ふふふっ。ねえ、進藤。・・・キスしよう。」










遠くでコヨーテが鳴いていた。




−了−





※アキラさん寝る前に「俺達に明日はない」か何かを見たんじゃないすかね。
 というか「コヨーテ」→「西部劇」という発想が。




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