077:欠けた左手
077:欠けた左手










キミはボクの事を変な奴だと思っているんだろうね。
確かにボクは学校まで追いかけたりしたし、
いきなり怒鳴ったりしたし、
急に無視したりしたし。
自分でもおかしいと思うよ。


それでも誰でもボクに惹かれずにはいられない。
だってボクは強いから。



キミはボクの事を嫌な奴だと思っているんだろうね。
碁を打てば喧嘩ばかりだし、
それでもボクの方が強いし。
母親に選んで貰った服ばかり着てるし、
それは自分が育ちが良いことを見せつける意味もあったりするし。
偶にお金持ちなことさりげなく自慢するし、
クソがつく程真面目だし、
さらさらの髪の毛を見せつけるように揺らしたりするし。


それでも誰でもボクを好きにならずにはいられない。
だってボクはキレイだから。



みんなボクを大切にせずにはいられないよ。
ボクは塔矢行洋の息子だし、
ボク自身もいずれ一番強くなって日本の宝と呼ばれることは目に見えてるし。
若くて有望でキレイで礼儀正しくて行儀が良くて、
非の打ち所がないんだよ。



そんな完璧なボクだけれど、
キミがどうしてもというならキミの物になって上げてもいいよ。
だからどうか差し出したこの手を繋いでくれ。









−了−









※最初「034:手を繋ぐ」はこんなんを考えてたみたいですね。大昔です。
  「削除済みアイテム」を空にしようと思って最終チェックしてたら出てきました。
  (私はいつもメールフォームで書いてます。)
  百もあればこんなんでもリサイクル。
  自分ちだからこそ出来る暴挙。



※追記:とらさんのコメントに不覚にも爆笑しました。
  「なんてかフォークソングみたい。ギター抱えて進藤の前で歌ってる塔矢アキラ。」

  進藤もさぞやおののく事と。




※追記2:カザミンの「左手の先」
  カザミングラスと通すとこうなる。


(和谷っちとヒカルの会話)
「オマエもさぁ、よくまぁ塔矢なんかと付き合う気になったよなぁ(溜め息)」
「えーっ、何で何で?アイツも結構可愛いトコあるぜー?」
「はぁ?あーんなヤな奴、オレ他に知らねーよ!(むかむか)『ボクは王子様』みたいなツラしてさぁ、ぜーったいに自分でもそう思ってんぜ、アイツ」
「(首傾げ)だって実際そうじゃん?父親は元・五冠のタイトルホルダーだし、顔はいいし、頭もいいし、外面いいし、碁も強くて―――」
「うがーっ、もういいっ!」
「まぁ碁の方はオレがそのうち、コテンパンにしてやっけどさ(けらけら)」
「…どーしてあんな嫌味なヤツがいいんだか(肩竦め)」
「うーんでもなぁ…(腕組み)」
「(まだ言うか)じゃあ例えばだ、仮に伊角さんが『そう』だとしたらどうだよ?」
「?」
「顔が良くて背が高くて頭もいい、性格温厚で女の子に優しくって、実家は医者で今年の最多勝利賞確定で、そんなん鼻に引っ掛けてたら?」
「…すげぇムカつく」
「だろうが!(我が意を得たり)――いや、まぁ伊角さんは別に自分で気付いてもないから許せっけど(ぼそぼそ)
とにかく!それ、まんま塔矢じゃん!!判るか、目ェ覚めたか!?」
「―――や、でもオレ、ネコ好きなんだよなぁ」
「は?」
「猫ってさぁ、外ではつーんとしてて、家でもそうなんだけどさ、でもたまーに気が向くと摺り寄って来てくれんの。あーっ、もうコイツ可愛いーッ!ってなんだよねー(えへへー)」
「―――…進藤、オマエってもしかしてマ…、いや、もういい(がっくり)」

    ―――いわゆる「あばたもえくぼ」っちゅーか。





※なんというか・・・。
  板にも書きましたがバカップルここに極まれり!
  あの長セリフの後ピカがうっとりとアキラさんの手を取る所を想像すると、
  呆れるのを通り越してぽぽえましい。
  これでこのアキラさん浮かばれました。ありがとう!



※そして下はとらさんのフォークソング発言に触発されてChar coalのkaiさんが描いて下さった漫画(塔矢の真顔と進藤の焦ってる顔がいいでしょ!)と、とらさんのレス。
ああ・・やはりダメだったんか。


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