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070:ベネチアングラス テレビの中では金髪の「世界の富豪」が ベネチアングラスを片手に、巨大なソファで寛ろいでいた。 「・・・なあ、塔矢。こういう男、どう思う?」 「まあハンサムだね。」 「顔は負けてねーって!オレだってもっと大人になればコレくらいになってやる。」 「楽しみにしてるよ。」 「そうじゃなくて、やっぱ男の価値って金かな。」 「一概にそうは言えないと思うが。」 「オマエは金持ちの家で育ったからおっとりしてんだって。」 「男の価値、ねえ。どちらかというと力じゃない?」 「力か。」 「うん。やはりボクも男だから、どうせ抱かれるなら最強の男に抱かれたい。」 進藤は、顔を赤くして、傷ついたような顔をした。 静かに見つめ返していると、その目がだんだん挑戦的な光を帯び、 「なってやる!」 と言って、裸のまま腕立て伏せを始めた。 う〜ん、そういう意味じゃないんだけどな・・・。 ボク達は碁打ちなんだから、その中で最強と言ったら普通碁だろ? でも、ボクの為に一生懸命な進藤を見るのは割と好きなので、 そのまま放っておいてブランデーを失敬するために父のサイドボードを開ける。 ついでに借りたベネチアングラスに琥珀を注いでまだ腕立てをしている進藤を透かし入れ、 一気に飲み干したら、 世界を手に入れたような、気がした。 −了− ※悪女風な塔矢。そしてファザコン。 塔矢家のどこかに洋間があるんじゃないかというドリーム(ドリーム?) |
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