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059:グランドキャニオン 妙な夢をみてしまったんだ。聞いてくれ。 時代劇みたいなんだけど、江戸時代か何かの村のようで、 ボクは、ボクともう一人は夜の荒野を一生懸命逃げていた。 けれど遂にグランドキャニオンみたいな崖っぷちに追いつめられて・・・。 ・・・だから!みたいなって言ってるだろう? 別にいいじゃないか。西部劇だって時代劇と言えば時代劇なんだし。 それでまあ追いつめられて、後ろからは獣みたいな男達が「もう諦めな。」とか何とか言って ニヤニヤしながら詰め寄ってきていた。 ええっと・・・どうしてそういう事になったかというと、その村では 夜這い・・・って知ってるか? ああそう。 とにかく、そういう感じで娘は年頃になったら夜忍んでくる男を、 その、受け容れなければならない風習だったらしいんだ。 ボク達はそれが嫌で嫌で・・・。 あ。言ってなかったっけ。 そうなんだ。 夢の中では何故かボクは女だったんだ。 え?分からないよ、そんな事。 夢なんて不条理なものだろう? とにかくそういう訳で、ボクと『彼女』は二人して「純潔を守ろう。」と 約束していた。 でもそんな辺境な村でそれが許されるはずもない。 拒んでも拒んでも男達はやってきて、ほとんど乱暴されそうになって。 ボク達は手に手を取って月夜の晩にその村を逃げ出そうとしたんだ。 それでも見つかって追われて駆けて逃げて・・・で、その、最初の、 崖に追いつめられた場面になる訳なんだけど。 うん。怖かったなぁ。夢の中の事とは言え。 男?ああ・・・中には二、三人現実で見知った顔もあったみたいだけど。 うん。プロ。 言わないよ。別に彼等の事をそんな人間だと思っている訳じゃないし。 だから、夢の話だと言ってるだろう? そう。それで諦めろとか言いなりになれとか。 まあ・・・色々と下卑た事を言われて。 いよいよ男達が迫ってきた時に、隣にいた『彼女』が、繋いでいた手をぐっと握って 「おあき。」ってボクを呼んだんだ。そういう名前だったらしいよ。 で、ボクが彼女を見ると、何でだろうねぇ。 そんな怖い場面なのに、笑っていた。 前髪が月光に透けて、輝いてたな。 それでボクも「おかるちゃん。」と。 ・・・イササカ先生の奥さん?誰だそれ。 ああ、サザエさん。そうかもね。そこから来てるのかもね。 とにかく 「いつまでも、生娘でいよう。」 彼女がそう言ったのに頷いて、ボク達は一緒に後ろへ・・・谷底へ向かって、 背中からダイブした。 空が広くてやけに星が綺麗だったな・・・。 ・・・うん。 高いさ。グランドキャニオンって言っただろう? でもそれが不思議と怖くなかったんだ。 おかるちゃんと一緒だと思うと。 実際は早いはずなんだけど、ほら、そこは夢だから。 ボク達はゆっくりと落ちて行った。 それで・・・あの・・・。 ここからが特に妙なんだけど。 空中でおかるが、繋いでいた手を引き寄せて・・・ボクを抱いた、んだ。 抱きしめて・・・その、彼女のやわらかい胸がボクの胸に当たって、 両方の胸が押しつぶされて・・・。 え?そうかな? 別に自分ではそうは思わないけれど。 まあもう少しだから聞けよ。 それで・・・キスをされた。 舌?・・・はどうだったかな。ああ、入れてた。 そう言えば結構絡めてたな。 まさか! 現実でそんな事したことあるはずないだろう?何歳だと思ってる。 キミは・・・まさかあるのか・・・? ああ、それはそうだろうな。 それで・・・って、そうそう。まだ落ちてる途中だった。 でも別に何もないよ。それ以上の事は。 ただ、ボクは・・・男を拒んでいたのは、純潔を守るためと言うよりは、 本当はずっと彼女とこうしたかったからだ、というのが、その最中に分かったんだ。 ・・・おい。ひくなよ。 とにかくそんな風に抱き合って落ちていくのがやけに幸せで。 一瞬後に死が迫っているのも全く恐ろしくなくて。 ・・・うん。 そこで目が覚めた。 寝覚めがいいのか悪いのか・・・複雑だったな。 で、どう思う?こんな夢。 ああ、おかるちゃんか。 う〜ん。そうなんだ。 彼・・・いや彼女も、実は現実で知ってるある人物に限りなく似てたんだけど・・・ まあさっきと同じ理由で言わないよ。 −了− ※「どう思う」って言われてもね。 夢シリーズとは分けたかった。夢判断してあげてください。(するまでも。) 狙い分かりにくいですかね。 恐らく百合百合ヒカアキをちょっとやってみたかっただけなんですよ。 |
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