デリカテッセン・頂き物Vr.
041:デリカテッセン-Z









耳元に寄せられた唇から熱い息が零れ落ちてくる。


呻き声とも喘ぎ声ともつかない音、呼吸。

「―――ん、あっ」

オレの首に回されてる塔矢の細い腕に力が入る。
まだ、オレのを挿れてもいないのに。
ただ手の平で塔矢の柔らかな白い尻を撫で回して、肝心な周辺を指先でなぞってるだけ。

「・・・ン、もう、やぁ」

もどかしげに塔矢が首を打ち振るって、オレの手首を掴んでくる。
腰はオレのに押し付けるようにしてきて、こっちの腹に自分を擦り付けてる。
たったそれだけの刺激だけで、塔矢は一度イっていた。


気持ちいいんだ?


そう聞いたら、塔矢は少し睨みつけるみたいな目をして、オレを咎めるように見上げてきた。
ばっかみたい。目、ウルんじゃってるのに。
それでもあんまり腰を振るから、つぷり、と指先を中へ潜り込ませてやった。

「あ!―――あっ、あ、」

目、見開いて、大きく背を仰け反らせて。

「気持ち、イイんだ?」

もう一度聞いたけど、今度はもうオレの声なんて届いてないみたい。
薄く開いた口から舌を突き出すみたいにして、悦がってる。
挿し入れた指を動かしてやれば、それに合わせるみたいにして塔矢の体が面白いほどに跳ね上がる。

「指、増やした方が良い?」

わざとらしく尋ねてやると、塔矢は掴んだままだったオレの手をぎゅっと握って、そのまま自分でオレの指を入れようとする。
まだローションとか付けてなくって、乾燥したままのオレの指はただ痛いだけじゃねェのかな、と思う。
でも塔矢は気持ち良さそうに喉を仰け反らせ、とうとう自分で腰を揺らし始めた。


ごくり。


さすがにここまでやられると、オレの理性も焼き切れそうになる。
ホントは絶対に、絶対に塔矢に挿れてやるつもりなんてなかった。
あんな酷いコト。・・・自分の目の前でオレを他の男にヤらせるような、
それに協力するような真似したコイツを許すつもりなんてなかった。
あんな恐くて痛くて辛くて悔しくて―――とても気持ちの良い感覚をオレに覚えさせた塔矢が憎くて。

「・・・ん、どう!やっ、もう、」

オマエのコト判んねェよ。
オレのコト、憎いの?好きなの?そんな感情って両立できんの?



オレの体の下で、今にも泣き出しそうな声を上げて、掠れた声を上げる塔矢。
誘うみたいに、オレのモノへも手を伸ばしてきて、その白い手がオレのを擦り上げてくる。

「―――っ、ア、」

思わず洩れてしまった声に、塔矢は嬉しそうに顔を綻ばせた。
まるで子供が誉めてくれ、って言ってるみたいな顔をして。

「進藤」

急にはっきりとしたイントネーションで名前を呼ばれて、ビクッとオレの体が揺れた。



キテ、ハヤク。



ゆっくりとつり上がるアイツの口端。






だってオマエ、嫌だったんだろ。
ただ恐くて。
オレのコト恐くて、失いたくなくて抵抗できなかったんだろう?
だったらもうこんな事しなくても。

「・・・怖いんだ?」

くすくすと笑う、塔矢。でもその間にもアイツの腰は揺れ続けて、オレの指を3本含んだままで時折、締め付けてさえくる。

「・・・怖ェよ、オマエが」
「うそつき」

話の間にも塔矢の指はオレ自身を刺激して、今はオレの指が埋まる場所へと導いた。

「怖いのはアノ時の感覚を思い出すからだろう」

高永夏に犯されてた時。
そう言われて、頭の芯が一気にカッとなった。

「気持ち良かった?キミ、随分とイイ顔をしてくれて。あんな顔、ボクとシてる時にも見せてくれ―――」
「うるせェ!」

塔矢がわざとオレを煽ってるのは判ってたけど、どうにももう止まらなかった。
勢いのままに、労わりも躊躇いもなく塔矢の中に押し入った。
塔矢は嘲笑を含んだまま、変になっちまったみたいに甲高い声を上げる。

「アァァァァァ、―――ア、アッ!」

ぎり、とオレの首に回ったままだった腕が、力を込めてオレの体を自分の方へと引き寄せる。
回って余らせた指先の爪が、快感の興奮でオレの肩に鋭い痛みを走らせた。
オレもその痛みを、眉をひそめるだけでやりすごして。


ケモノみたいに塔矢の体をメチャメチャに貪っていた。






終わった後はいつも嫌なざらつきが残る。
散々に出した後の倦怠感とは質を変えたソレは、あの時より前にはなかったものだ。

「したく、なかった?」

ふ、と壮絶なくらいに色気のある声を出した塔矢が、オレの背中にゆっくりと指先を走らせる。
終わったばかりで過敏になってるオレの肌は、すぐにその小さな刺激を捕らえてぴくりと揺れた。
そう言えば、塔矢に挿れたのは北斗杯のあの時以来だ。
引き裂かれる恐さを知ったオレは、塔矢とするのを避けていた。
だってあんな酷いコト。
塔矢がオレのコト好きだからってだけで、無理矢理に許させてきたなんて。

塔矢はオレの考えてる事なんてとうにお見通しなんだろう。
つい、と指先が背中を降り切って、そのもっと下へと辿っていく。

「ボクはもう平気だよ。キミとするのは・・・キミとだから気持ちイイ」

すぐに慣れるよ。
そう笑う声が凄く近くなって。





―――耳元に寄せられた唇から熱い息が零れ落ちていた。







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拙作「040:小指の爪」の後日談を匿名さんが書いてくれました!

百虎始まって以来の真正エロ!萌ええ〜!!!
タイトルはなかったんですが、もうね、「041:デリカテッセン」はこれでいいんじゃないかと。
そしたら一つ助かるんじゃないかという甘い誘惑に駆られたっちゅーの!
いや実際困ったらそうすると思う。(真顔)

私の文体を真似て下さったらしいが、私こんなに(エロ)語彙ないって(笑)。
ここまで萌えてくれて感無量だよ。
てゆうか私が書いたのなんかよりずっと上手いしエロい!
もしかして一人称初めて?
やはりキミは見えない壁・・・お父さん・・・。

挿れてやるつもりなかったってってもこういう状況になってる時点で既に負けてますね。
このアキラさん、非常に怖い。
カラダは溺れていながらもどこか進藤以上に醒めた部分をコンスタントにキープしてます。
思うさま萌えさせてもらったよ!


あと、恐怖&萌えポイント

『すぐに慣れるよ。』

怖い怖い!
アキラさん、慣れさせるつもりですか?!アキヒカへの第一歩ですか!
最初と最後がループしてますが、二回目はどうなるのやら・・・。



本当にありがとうございました!エロリズム万歳。










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