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030:通勤電車 オレが緒方さんの足の間に顔を埋めてをしゃぶっている時に、 隣の居間の時計が一つ鳴って、日付が代わったことを知らせた。 「緒方さん・・・。」 隣に裸で横たわっていた塔矢が緒方さんに呼びかける。 オレはどきり、としながらも、何食わぬ顔をして、食い付いている。 緒方さんは丁度煙草を一本取りだしかけた所だったが、その手を止めて振り向いた。 塔矢は息を吸った後、また口を閉じて躊躇うようにごくりと喉を鳴らした。 「何だ。」 「・・・今日は、ボクの生まれた日です。」 「13、いや14日か。・・・ああ、そうだったな。おめでとう。」 「ありがとうございます。」 「誕生日以外でおめでとうを言うのはきっと複雑だろうな。」 「遠からず言わせてみせますよ。」 さっきの躊躇いはどこへやら、打って変わって不敵な笑いを浮かべる。 そして横目で見ていたオレに目を向けた。 出て行けよ。約束だろう? その目が語るのは、そういう事なんだけど。 それはそうなんだけど。 もう帰らなきゃ、電車がなくなる。 棋院よりきっと何度も通っている、オレの通勤電車の最終が。 分かってるけど。 ・・・オレの誕生日だって、おまえも朝までいたじゃん。 最後に、もう一度、だってオレ、 咎めるような視線を無視して股間から口を離し、緒方さんの指を舐めた。 「アキラ・・・来い。」 たっぷりと舐め回していると、オレの口に指を預けたまま緒方さんが塔矢を呼んだ。 オレだけでなく塔矢も不審な顔をする。 それでも寄ってきたのをぐいっと引き寄せ、オレの口から指を抜いてそのまま塔矢の後ろへ・・・。 塔矢が目を閉じて喉を反らせた。 それから緒方さんはオレの頭を軽く押しやり、 踵を立てて塔矢を膝の上に抱き込み、腰を落とさせて・・・ 塔矢の口が僅かに開く。 息を呑んで、そして止まる。 ・・・色っぽいと思うよ。 声も出さないで眉を顰めて耐えている。 でも・・・それって酷いじゃん緒方さん。 オレの唾液に濡れた指が塔矢を慣らして、 オレの唾液で濡れたものが塔矢の中に埋まっていく。 「・・・どうした?進藤。」 オレは膨れっ面をしていたらしい。 緒方さんがニヤと笑いながら、言う。 その手前には、余裕なく切なげな・・・塔矢の顔。 いくら塔矢の誕生日だからって、それはちょっとないんじゃない? 「ズルイよ。オレが乗るつもりで濡らしたのに。」 緒方さんが黙って腰を小刻みに動かしながら、オレに手を差し伸べる。 思わず寄ると、ぐいっと腕を引かれて、キスをされた。 「んん・・・。」 舌を吸われて、噛まれて、それだけで信じらんない位どきどきして。 だから止められない。離れられない。 オレが邪魔な塔矢の肩に手を置くと、ビクッと震えた。 相手が感じていると思うと無意識にまさぐってしまうのが悲しい性という奴で。 オレは塔矢の胸や腹を愛撫しながら、緒方さんの舌を受け続けた。 塔矢は切なげに身を捩っていた。 やがて唇を離した緒方さんが 「今日はアキラくんの誕生日なんだから。」 ・・・だからガマンしろって? 無理! 「おまえも、祝ってやれ。」 だから何で! 嫌だよ。 何で緒方さんがいるのに、塔矢のもんしゃぶらなきゃなんないんだよ! でもその時、オレが塔矢の太股に手を置くと塔矢がまた大きく震え、 緒方さんが微かに、微かに顔を顰めたのが見えた。 ・・・そうか。 塔矢が感じると、緒方さんもイイんだね? それなら話は別だ。 オレはゆっくりと塔矢の前に顔を埋め、塔矢を口に含んだ。 塔矢は嫌がってオレの肩を押し返そうとした。 けれど後ろからも攻められ、その抵抗は限りなく弱い。 見上げると喉がひくひくとしていて、ヤバい、オレまで塔矢に興奮しそうだ。 その内に訳が分からなくなってきたのか、オレの髪を掴んで、自分で動かし始めた。 ってて。痛てえよ。 少しづつじわじわと口の中に、しょっぱい味が広がる。 顔を離してみると、塔矢の先が先走りでべとべとしていた。 「進藤・・・。」 低く掠れた、緒方さんの声。 オレが大好きな声。 腰が疼くような、この声。 そうだよね。 今日は、塔矢の誕生日だから。 オレは緒方さんの顔を見ないまま頷き、後ろを向いて・・・塔矢のモノをオレの後ろにあてがった。 塔矢はそれでもオレの腰に手を突っ張っていたけれど、後ろから突かれて先が入り込む。 そんで小さく息を呑んで力が抜けた所を、ぐっと押されたらしく、一気に入り込んできた。 「痛たッ!」 自分の口から甘い悲鳴が漏れる。 痛い、けれど待っていた、待っていた痛み。 内臓が押し上げられる。 緒方さんじゃないのは分かっているけど、カラダが、満たされる。 緒方さんじゃないのは分かっているけど、あ、あ、 動いているのは、動かしているのは、緒方さんだ・・・。 そう思うだけで無性に興奮した。 「くっ・・・。」 すぐ後ろから、声が聞こえる。 塔矢が声を出すなんて珍しい。 もしかして限界? もう? ああ、でもオレに入れる前に緒方さんに入れられてたしな。 オレは塔矢を煽るように、自分で腰を動かした。 塔矢も腰を打ち付けてくるけど、きっと塔矢じゃない。 もどかしい、狂ったリズム。 背中の、微かに喘ぎ声の混ざる荒い息。 緒方さんじゃない、緒方さんだったらもっと声が低い。 それでも、それでもどうしようもない程の快感に、頭がぼやけてきて、倒れそうだ。 その上後ろから伸びてきた手が、オレのモノを。 誰の手。 いやきっと、これも緒方さん。 「緒方さん、緒方さん・・・。」 オレが呼びながら締め付けて腰を振ると・・・背中で塔矢が固まった。 そして力が抜けてきても、まだ動かされていて。 がり。 「いっ!」 塔矢が、オレの背中に爪を立てた。 オレは思わず前に出て逃げた。 振り返ると、緒方さんはまだゆっくりと腰を使っている。 塔矢の身体はがっくりと崩れていて、ただ揺らされるままに揺れている。 緒方さんの目は、オレを見て笑っていた。 「アキラくんをこんなにして・・・悪い子だ。」 ・・・何言ってるの。 緒方さんじゃん。 でも。 うん。きっとオレ悪い子だ。 だから。 「おしおきして・・・。」 塔矢の腕を引いて無理にずるりと抜くと、やはり緒方さんは張りつめていて、 オレは塔矢を放り出して緒方さんの首にかじりついた。 緒方さんがシャワールームに行った時、それまで隣でぐったりしていた塔矢が やっと目を開けた。 オレも緒方さんに散々して貰って、しばらく動きたくない。 とっくに電車なくなったしね。 尻にティッシュを挟んだまま顔を覗き込んだ。 「キモチよかった?」 聞く。 塔矢は答えず目を逸らした。 ああ、こりゃ相当ヨかったんだな。 で、オレの背中に爪を立てるほど悦がってしまったことを、恥じている。 「照れるなよ。」 ほっぺを指でつつくと 「照れてなんかいない。」 顔を背ける。 「ただ、緒方さんの前でキミの中に出してしまった事が不覚だ。」 「いいじゃん。良かったんだろ?」 「・・・・・・。」 塔矢はまた目を閉じる。 「いいなぁ。サンドイッチ。入れられて入れてるのってどんな感じ?」 「・・・・・・。」 「倍増って感じ?」 意地悪もしたくなるじゃん。 だって緒方さんに、あんなにして貰って。 「オレも今度真ん中やってみようかな。」 「え!」 無視していた塔矢が、カッと目を開く。 「キミはボクに入れるつもりか?」 「他に人呼んで来ないってなるとそうなるね。」 「断る!」 眉間に皺を寄せて。怖え〜!! 何。オレに入れるのはいいけど、入れられるのは嫌なワケ? ボクの尻の穴は緒方さんだけのモノですってか? わー、結構勝手な奴だな。でも、 「まあ良かったじゃん。今日は美味しい思いできて。」 「キミだって緒方さんに!じゃなくて、その前にボクだってあんな事、絶対に、」 「あんな事って?」 「サンドイッ・・・、とにかく!」 あ〜あ。さっきまでは結構可愛かったのに、そんなに険しい顔をして。 オレ、結構本気で祝ってるんだぜ? 「いいじゃん。今日はおまえが生まれた特別な日なんだしさ。」 緒方さんとの関係で言えば、邪魔で邪魔で仕方ない奴だけれど。 碁では、かけがえのない、永遠のライバル。 黙り込んだ塔矢に、 「誕生日、おめでとう。」 そう言って、キスをした。 舌を入れてやろうと思ったけれど、塔矢はかたくなに唇を引き結んでいた。 −了− ※何が通勤電車? ええ、下品ですよ。下品ですとも。若先生お誕生日おめでとうございます。 今度こそヒカアキ、と思ってらっしゃった方すみません。 |
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