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028:菜の花 こんな夢を見た。 一面の菜の花畑に、進藤といた。 「十六の・・・・五。」 「・・・・四の八。」 ボク達は目隠し碁をしていた。 「二の、八。・・・・それにしてもさっきから良い匂いだなぁ。何の匂い?」 何を言っているんだ。決まっているじゃないか。 「十の七。菜の花だよ。」 「十三の・・・いや、十五の三。へえ。キレイ?」 「七の七。ああ、とても。」 そう言えば、進藤は生まれつき目が見えないんだった、と思い出した。 「あ・・・・。ありません。」 「ありがとうございました。」 「ありがとうございました。」 「・・・それってどんな色?」 「どんな色って。」 正にキミの前髪のようで、とてもキレイなんだ。 キレイだけれど、キミは自分の髪の色すら、知らない。 と思った途端に涙が出てきた。 「空ってどんな色?」 それはボクの涙のような。 「雲ってどんな色?」 それはキミの輝く歯のような。 「木ってどんな色?」 それはキミの瞳のような。 「塔矢ってどんな色?」 ボクの髪は碁石の黒。夜の闇。 ボクの肌は碁石の白。闇の月。 「ボクは・・・キミと同じ色だよ。」 「そうなの?」 「うん。菜の花みたいな髪で、お日様みたいな肌をしている。」 「そうなんだ。嬉しいな。だから塔矢の肌ってこんなに暖かいんだ。」 擦り寄ってきた進藤に涙が落ちないように、ボクは上を向いた。 −了− ※元ネタは中学生の時見た夢。青い目の盲目の少年に「青」という色を教えたいのに教えられない もどかしい夢でした。「だからその色ーっ!」って(笑) 某所で夢を元にしたすんごい面白いパラレルが完結したんであやかって。あやかれてないけど。 |
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