004:マルボロ
004:マルボロ









コトが終わった後、裸のままであぐらをかき、
白い横腹をかりかりと掻く。

行儀の悪い、彼が好きだ。

だるそうに前髪を掻き上げ、
ベッドサイドのマルボロの箱を取り上げる。


「未成年め。」

「子ども産む訳でもあるまいし。」


面白くもなさそうに、いつものやりとりを再現してから
マッチで火をつける。

少年の指に白くて細い筒はいかにも不似合いだが
マッチ棒を小さくはじいて火を消す仕草は、
粋がっているとは思うけど、すごくかっこいい。

以前は息を吹きかけて消していて、それは子どもが誕生日ケーキの
蝋燭を吹き消す様に似てそれなりに可愛かったんだけど。


目を細めて、白い煙を吹き出す。

堂に入った、不良少年だなあ。

対局中の真面目な顔を思い出すと、
そのギャップに思わず微笑みが漏れた。









一本吸い終わるのを待って、顔を寄せる。


「・・・煙草臭い。」

「歯、磨かなきゃ。」


うん。そうだな。

ここから一歩外に出たら真っ直ぐな髪をなびかせて、
また品行方正な真面目少年に戻るんだろう。


いいよ。

オレにだけ見せてくれる、裏の顔は、
マルボロと一緒にこの部屋に置いて行きなよ。








−了−







※昔書いた物。
  当時はヒカアキしか書いてなかったので、我ながら意外性があると思っていた。
  今は騙されてくれる人はいないかもなぁ。

  進藤の前でだけ不良少年な塔矢。未だに萌えます。






SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送